4月25日に新型Zの詳細が発表になりました。
それと同時に6月下旬に予定していた発売を1ヶ月以上延期すると日産は発表しました。
このあたり、気になるところがあるので書いてみます。それは、早めにオーダーを入れないと生産キャパを考えると納期遅延などで買えなくなる可能性が0ではないということ。
まずは日産Zという車について考えてみます。
新型のZは今の時代では非常に貴重なスポーツカーとして発売されます。
日本の他の自動車メーカーを見渡しても、同じような車を作れるのはトヨタ位になってしまった。スポーツカーが作れない理由は2つあって、企業平均燃費とよばれるCAFE。
そして、これから始まる騒音規制。これらが障壁とされているからです。
企業平均燃費については、燃費の悪いスポーツカーを作るなら、燃費のいい他の車をたくさんつくってカバーしないといけない。
トヨタがスープラやGR86などの純スポーツカーをポンポン作れるのは、全体的に燃費のいい車をたくさん売っているからに他なりません。
つまり燃費の良い車をたくさん作れないと、スポーツカーを作ることができないという理由。日産には電気自動車のリーフやアリアがあるし、e-Powerのノートやセレナなどもあります。
それにしてもトヨタとはハイブリッドの規模がちがうけど、何とかZは作れたということです。
企業平均燃費よりも、問題なのが2026年の秋からスタートする騒音規制フェーズ3。
現在はフェーズ2が施行されていますが、これが新型車は2024年から。継続生産車は2026年からスタートされます。
新型Zの場合はすでに販売開始しているため、継続生産車扱いになるので2026年から施行されます。
つまり、2026年からの騒音規制フェーズ3の規制値内に、Zがクリアできないと僅か4年というサイクルで廃盤になる可能性があるということ。
実際問題、新型Zがフェーズ3をクリアできるかっていうと、非常に厳しいと思います。もはや純エンジン車ではクリアが難しい数値になっています。
こちらのほうが問題なんです。つまり、逆算すると新型のZが販売される期間って、短くて4年しかない可能性が出てくる。
今、半導体やらコロナの問題で、新車の納期遅延が問題視されていますよね?
一番強烈なのはランクルの4年待ちというもの。新車をオーダーして手に入るのが4年後。もはや考えられない納期ですよね?
ランクルの場合、世界規模で人気がある車の為、世界各国からオーダーが入ります。その為納期が4年となっても不思議じゃないんでしょう。
半導体不足や海外工場のコロナ閉鎖なども逆風としてふいています。
では、Zはどうなのか?
日産のZという車のバックボーンはアメリカにあります。
Zはそもそもがワールドワイドに展開するスポーツカーです。思い起こせば日産の黄金期に存在したシルビアや180SXとは違うのです。
日本国内をターゲットにしている車ならいいんですが、世界中からオーダーが入るZという車は、相当なバックオーダーを抱える可能性があります。
仮に生産できるキャパが1年で1~2万台弱だとすればどうでしょう?
GR86の月産販売台数は単月当たり1000~1800台位。ロードスターも1000台前後を推移しています。
日本だけで4年間で4万台近くのオーダーを抱えるかもしれません。世界規模だともっとオーダーが入ります。
作るのは日産の栃木工場で、アリアと同じ場所です。ここの生産キャパが25万台位なので、世界中からオーダーが殺到すると、納期が相当掛かってランクル状態になるかもしれない。
そうなったら、騒音規制フェーズ3が始まるまでにさばききれなくなり、受注を停止するかもしれない。
ホンダのS660もそうでしたよね。残念ながら転売ヤーもいるし、純エンジン車は消え去る運命も相まって、新型Zはすでにプレミアムな車になっています。
欲しいと思ったらすぐにオーダーを入れないと、ぐずぐずしていると買えなくなっちゃうかもしれません。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。