国土交通省の7月4日付けプレスリリースに新しい燃費表示について言及がありました。
現行のJC08モード燃費からWLTCモードという燃費に変わるということです。燃費表示っていうと
10・15モード
JC08モード
今までこの2つのモード燃費で計測表示されてきました。最近ではJC08モード燃費ですね。それでも実燃費とは乖離している数値だというのが妥当です。
今度新しく適用されるWLTCモード燃費とはどのようなものか?今までのモード燃費と比較しながら解説してみます。
目次
3つのモード燃費の違い
これまで使われてきた2つの燃費モードとこれからど運輸されるWLTCモード燃費の違いが国土交通省のHPに記載されていたので引用します。
こうやってみると、10・15モード燃費なんか本当に役に立ってないですよね。シャシダイナモ上で計測しているとなっています。昔、初代フィットが出た時です。確かリッター20kmオーバー!という燃費が表示されていて。
整備士でもなんでもなかった自分は1リッターで20km以上走れるなんて、魔法のような車じゃないか!と感動した覚えがあります。
蓋を開けてみれば、なーにや現行の4代目プリウスを持ってしてようやくリッター20kmいくか行かないかっていう数値じゃないですか。デタラメにもほどがある。いや、そのモード上では出てるんでしょう。計測方法がデタラメなだけで数値は間違っていない。
そしてJC08モードです。これは冷間時、すなわちコールドスタート時の燃費も計測するからより実走行に近づく!といううたい文句でデビューしたわけです。確かに今までの10・15モード燃費に比べれば数値は下がっている。
が、しかしですよ。現在の車でJC08モード表示にどれだけ肉薄した実燃費が出ていますか?ダメダメですよね。そこに来て燃費不正問題がとりだたされた。
そういう背景からか登場したのが今回のWLTCモード。一体何が変わったのか?
WLTCモード燃費とは?
まず特筆すべきはWLTCモード燃費では3つの表記があるということ。
- 市街地モード
- 郊外モード
- 高速道路モード
車って、走るシチュエーションと場所によって燃費がガラッと変わりますよね。
燃費が一番いいのが、アクセルの増減がなしでかつ信号のない高速道路など。時速100kmを巡行して、エンジン回転が2500回転くらいをキープできてれば燃費はいいですよね。
同じ距離を市街地で走ろうとすると、信号待ちの時はアイドリングしているし、ストップアンドゴーが多い。車に限らず止まった物体を動かそうとする力って相当必要です。ストップする回数が増えれば増えるほど燃費は悪くなる。
なので、WLTCモードでは燃費表示を3つに分けましょうと。わかりやすい。そしてその3つの大まかな平均値を大きく表示するということです。
これなら間違いない!と思わないでくださいね。僕が思うに平成30年10月以降の新型車は全てこの表示になるわけですが、参考になるのは市街地モードです。
WLTCモードだとさすがに燃費が参考になりません。市街地モードの燃費が一番実燃費に近くなるであろう。これは間違いないですから。ただ、高速道路を走れば市街地モードの燃費も当然上回るだろうと。
そしてこのWLTCモードにも注釈があります。
※1 燃料消費率は定められた試験条件での値です。お客様の使用環境(気象、渋滞 等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて燃料消費率は異なります。 ※2 WLTCモード:市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分 で構成した国際的な走行モード。
国土交通省のHPより引用
これを読み解くとエアコン使用等と書いてあるので、エアコンはそもそも使わないことを前提とした燃費計測です。
エアコンを入れるとやっぱりコンプレッサーに力を分け与える分燃費は若干悪くなりますからね。それでも最近のエアコンはよく制御されてるからコンプレッサーの動作をエンジンに負担かけないように回しています。
まあこのWLTCモード表示になればさらに実燃費に近くなるのは間違いないですね。それでも正確かといわれると、それぞれの車種の平均値を割り出してみないとパーセンテージは出せませんけどね。
国内最初のWLTC表記はマツダCX−3
今回WLTCモード表示で日本車として第一号となったのがマツダのCX−3です。ガソリンモデルですね。
どうしてこのタイミングで表示させてきたのか?これにはいろんな憶測が流れていますが、WLTC表示をすることでメディアに取り上げてもらえるということが強いんじゃないですかね。
最初は物珍しいし、そして初めてのWLTCモード燃費表示車となれば、WLTCモードというとCX-3が取り上げてもらえます。そして厳しくなった燃費基準を表示しているから若干低燃費性能が厳しくても、それを隠すことも出来てしまう。
今回のガソリンCX-3の燃費はイマイチだなぁ。でも新しい燃費表示だからそんなものなのか!っていう。頭いいですよね。
何はともあれこれから先はみんなWLTC表示に変わっていきますから。市街地モードを参考に車の購入を考えてみてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
バイクではWMTCモードという計測方法がかなり浸透しています。
実燃費との乖離はほとんどなく、悪くて9掛け、普通に走るとまず超えます。なのでそのまま購入時の目安として使えます。
とあるサイトの引用になりますが
JC08モード:0~80km/h加速が約41秒、0~40km/hが約16秒、最高速度は81.6km/h
WMTCモード(クラス3、いわゆる大型バイク):0~80km/h加速が約16秒、最高速度は120km/hオーバー
とかなり違うようです。(WMTCモードの表記は1種類です)
個人的にはWLTCモードはカタログ燃費競争になる前に導入してほしかったです。
個人的には燃費の表示が実燃費に近づくことに意味はないと思ってます。同じ車でも人によりますし。
気に入っている車なら燃費が悪くても燃費が良くなるように自分で工夫していけばいいと思っています。
バイクは言われてみれば燃費表示と実燃費との乖離はほとんどないですよね。うちも車をやめてバイクにしようか?
乗り方で随分違いますからね。ぼくの知り合いのトラックドライバーさん、初代キューブに乗っていてリッター7kmしか走らないと嘆いていました。が、どこへ行くにも停車中はエンジンかけっぱなし・・・ガソリンスタンドで油を売る時もずーっとかけっぱなし。。