ウィッシュですが、朝エンジンがかかりにくくて、ブースターを繋いでなんとかかかった。
が、その後エンジンチェックランプとVSCのランプが点灯・点滅したので見て欲しいという依頼。
エンジンはバルブマチックを搭載しています。
勤務時間中だというので、現場で診断機をあてて、内容を見てきました。
するとこのようにいくつかのエラーを拾っています。
警告灯はこの状態。サイドブレーキは引いていたので、真ん中のブレーキ警告灯は無視してください。
右側のエンジンチェックランプが点灯。左側のVSC OFFランプは点滅。VSCランプの横のランプは点灯状態でした。
まずはエンジンチェックランプから読み取ります。最初O2センサとかそう言った類かなと思ったら全く違いました。
まさかのP1047。バルブリフトドライバ系統です。
バルブマチックエンジンとは?
このウィッシュにはバルブマチックが搭載されています。
こちらで過去に詳しく解説しましたので、バルブマチックについて詳しく知りたい人は読んでみてください。
簡単に説明すると、アクチュエーターでバルブリフト量を可変・制御しているエンジンです。
今回エンジンのかかりが悪かったということなので、おそらくバルブマチックに作動不良が発生した可能性が高いです。
VSC系統のコードを読み取るとC1201が出力されています。
これは、ブレーキブースターセンサ系統の異常です。
本来バルブマチックはバルブリフト量で吸入空気を制御することを目的とされていますが、EGRの絡みでスロットルを備えています。
しかし、スロットルが開いている時の方が多いため、負圧が発生しにくいです。そのためブレーキ倍力装置のための負圧が不足します。
そのためこのバルブマチックエンジンでは、負圧発生用にバキュームポンプをバルブマチックアクチュエーターの横に備え付けてブレーキングに必要な負圧を発生させています。
つまりこの故障コードもバルブマチックがらみです。
考えられる原因はバルブマチックアクチュエーターの不良が、可能性高いです。
フリーズフレームデータを保存して、故障コードを消去。
その後ECUをデータモニタしながら何トリップか試しましたが、故障コードは入力されませんでした。
とはいえ今後また同じコードが入力されるようなことがあると、詳しく調べる必要があります。
このお客さんは元うちの会社のOB整備士なので、事情を説明して様子を見てもらうことにしました。
バルブマチックコントローラーは部品でも相当高いので、最悪リサイクル部品をさがすか・・・。この手のエンジンはエンジンルームをスチーム洗浄するなどはNGです。
コントローラーの回路が飛ぶ可能性があるので、エンジンルームはエアブローにとどめてください。
オイル管理はかなりシビアに行ってる人なので、いろいろなものが積み重なった故障かな。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。