古くなってきた車はヒューズや配線にも要注意!粗悪なヒューズはトラブルの元に

車の電気的なトラブルというのは、なかなか目に見えないので解決するのには時間がかかることがあります。

特に車が古くなってくると、電気の流れが悪くなります。これは本当の話で、それが故に各部で不具合が発生することがあります。今回はちょっとそんな電気の話です。

車が古くなってくると、何故電気的に厳しいのか?

コネクタによる接触抵抗

車の配線って、メインのワイヤリングハーネスがあって、それぞれのパーツやセンサにはカプラーと呼ばれるもので結合しています。

エンジンでいうと各センサやインジェクタなどの電子部品。さらにはアクチュエーターなどもそうです。電気で稼働させないといけない部品にはカプラがあって、ワイヤハーネスのカプラと結合します。

このカプラ部分の接触抵抗が、経年劣化で増えてくるんです。

古い車のハーネスを触ったことがある人はわかると思いますが、カチカチになってる車があります。ちょっと曲げただけで中で導線が折れてしまうような状態。

ひどい車など、配線の被覆をむくと中に緑青が吹いてる場合だってあります。

コネクタ部の接触抵抗が経年劣化で増えるとどのような弊害が起きるか?

まず熱を持ちやすくなります。そして消費電力も増えて、最終的には導通不良になっていく。

夜間走行をする車のライトが切れやすく、最終的にカプラーが溶けてしまった

以前このようなトラブルがありました。それは新聞配達をしている車。サンバーだったんですが、新聞配達は夜中からスタートして早朝までにい仕事を終わらせる必要があります。

仕事をしている間はほとんどがヘッドライトを点灯しっぱなしの状態です。

ライトを頻繁に使っているということは、ヘッドライトバルブももちろん切れやすくなります。サンバーはハロゲン球だったので、フィラメントを発熱させて照射するわけなので、ライトを点灯している時間が長ければ、すぐに切れてしまうわけです。

例えを出すと、Aというハロゲン球は50時間ずっと点灯するときれるとします。

新車であれば、Aというハロゲンは50時間点灯できる。ですが、頻繁にライトバルブを交換してくると、コネクタ部で接触抵抗がおおきくなります。

このサンバーの場合、接触抵抗が大きくなって終いにはカプラーが溶けてしまっていました。

おそらくカプラーを頻繁に脱着することで、密着が甘くなり接触抵抗が増えた。熱を持って溶けてしまったという流れです。

この手のトラブルはよくあります。

エンジン不調の原因は電圧のドロップ

エンジンがイマイチ不調な車がありました。

パワーバランスなどをテストすると、どうやら点火系統に問題があることがわかりました。実際に火花は飛んでいるんですが、エンジンは失火気味。

何が原因だったのか?

バッテリーからの電圧に対して、イグニッションコイルに到達している電圧が0.5Vほど落ちていることが分かりました。電圧降下していたんです。

電圧降下する原因で考えられるのはバッテリーからイグニッションコイルをつないでいるワイヤリングハーネスです。

エンジン不調の原因が点火コイルやプラグではなくて、安定して電源が供給できていないところだったわけです。

これも古いワイヤリングハーネスだと、起こりえる現象です。

昔興味深いトラブルに遭遇したことがあります。

ETCが作動しないという相談を受けて、点検してみたんです。ETCのインジケーターランプはちゃんと点灯して作動しているのが目視でわかりました。

ただし、ついているETCは僕が使っているのと同じタイプだったので、ちょっと不審に思いました。というのも、電源ONでいつものアナウンスが流れてこないから。

気になって、ETCの電源系統の取り付けを調べてみたら、なんだか変なところからエレクトロタップで分岐させていました。

その上流の電圧をはかってみると、12.0V。ETCの本体に入る部位での電圧が11.5Vまでドロップしていました。

面白いことに普通なら「ETCカードが挿入されていません」というアナウンスがながれるタイプのETCから、アナウンスが流れないんです。つまり、ETCを安定して稼働する電圧が足りなかったということ。

きちんとしたアクセサリ電源なら、エンジンを始動したら大体14Vくらいまであがります。ですがこの配線を調べるとエンジン始動時でも12Vに満たなかった。

インジケーターは光るけど声が出ない。つまり、作動しているようで作動してなかったというオチです。

これ、検電テスタで点検したんじゃわからないです。僕は電源系統を調べる時、検電テスタは一切つかいません。必ずサーキットテスタで、電圧の数値を調べて結線します。

入り口と出口でどの程度電圧降下しているかなどもわかりやすいですから。

粗悪ヒューズにも要注意

この手のトラブルもたまに見かけます。

お客さんが、ホーンが鳴らないっていうことで自分でヒューズが切れていたのを発見して、交換した。ですが、ホーンがたまにならない時があるという。

まず、お客さんが何かをしたからそこは点検しなくてもいい、という考えは僕は持たないようにしています。いずれにしろ遠回りになることがあるからです。

なので、お客さんが交換したというヒューズから点検すると、アンペアはあっているものの、なんとヒューズがスカスカしてるんです。明らかに端子部が薄くて接触不良を起こしている状態。

会社に在庫しているヒューズに交換すると一発で治りました。

まさかのヒューズで接触不良というケースです。実際に、粗悪ヒューズって存在しますから注意が必要です。

電気のトラブルって、目に見えないだけに最低でも電圧がはっきりと測れるサーキットテスタであたっていかないと、駄目です。

古くなってきたヒューズは内部抵抗も変化してきていますので、信頼できるヒューズに交換するだけで、電装品も元気になるのでお勧めです。

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