冬のバッテリートラブル

現場で整備士をしていると、冬に一番多いお客さんからの呼び出しのトラブルはバッテリー上がりで間違いがないでしょう。

バッテリーというものは、温度によって性能が左右されるものです。劣化しているバッテリーであったとしても、夏ならばエンジンがかかることがある。だけど、同じ状態のバッテリーを冬に使ってみるとエンジンがかからない。

この違いは一体なんなのか?原因は2つあります。先ほども書いたようにバッテリーという物は、温度によって比重が変わります。つまり、冬の方がバッテリーにとっては過酷な環境なのです。100パーセントの性能を発揮できないという事。

そしてもう一つ挙げられる原因として、冬は外気温が寒いためエンジンオイルの粘度が固く、抵抗になるということ。いくら低粘度のエンジンオイルを使用しても、夏と冬とでは抵抗がかわります。

エンジンをかけようとセルモーターをまわします。セルモーターはエンジンの軸であるクランクシャフトと呼ばれるシャフトに取り付けられている歯車のリングギヤにかみ合い、エンジンを回転させます。

エンジンを回転させると、エンジンの各部が動かされるわけですが、低温度によって固くなったエンジンオイルが抵抗になり、スムーズに回転が出来にくい状況になってしまうということです。これを防ぐには、夏に比べて比較的粘度の柔らかいエンジンオイルを冬に入れ替えておく。といった対処法も有効になります。

ですが、やはり元を正せばバッテリーの性能いかんによってはエンジンが始動できなくなってしまうわけです。バッテリーは使っていなくても放電をして行きます。携帯電話のバッテリーをイメージすると分かりやすいと思います。

携帯電話って冬の方が電池のもちが悪いですよね?それと同じです。

もしバッテリーが上がってしまったら、他の車からブースターケーブルでジャンピングをしてもらうか、それともバッテリーを交換するといったことをしないとエンジンが始動できなくなります。

今は小型で持ち運びが容易なバッテリーレスキューがたくさんでまわっています。こういったモバイルバッテリーをもっていると、スマートフォンの充電だけでなく、バッテリーレスキューにも使えるしライトにもなります。

今車のトランクに入れておいて損はないアイテムではないでしょうか?

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