VWのジェッタですが、エンジンが止められないという一報から始まりました。
エンジンが止まらないって、どういうことなのかと話を聞いてみたら、鍵が回らないというのです。
とりあえず、そのままでは困るので家についてからお客さんはヒューズを抜いてエンジンを停止させたということでした。
翌日レッカーしてきて、早速原因の究明にはいます。
一体何亜が原因だったのか?
目次
キーシリンダーを外してみる
エンジンが止められないのは、キーが回らないから。
キーが回らないという事は、ATの場合何点か考えられる場所があります。
シフトがPの時以外って、キーは抜けませんよね?シフトロックの機構がおかしいという可能性。ハンドルロックがかかっていてもキーは抜けなくなります。
この辺りの関連性も考えていく必要があります。
あとキーが抜けないという原因は、キーそのものの問題か、シリンダーの問題など。
原因を分けていくために、ハンドル廻りを外してキーシリンダーの点検に入ります。
こちらが外したメインキーシリンダーの本体部分です。
ただし、ここはキーシリンダーというよりはイグニッションスイッチ部分のみというイメージです。
というのも、キーシリンダーはこちらの部分。
この短い筒の中に、キーを差し込んで、その奥のシリンダーを回す構造です。
まず、この短い筒のシリンダーの引っかかりを点検。
短いシリンダーに、キーを抜き差しして回してみますが、特に引っかかりはない。
キーも減っているようなイメージはあまりなさそうです。
続いて、メインのシリンダー部。
こちらも奥を回してみましたが、特に不具合は見当たりません。
ではどこが原因なのか?
この時点で、再度シリンダーASSYを取り付けて試してみました。
復元したら普通に戻ったものの・・・
復元をして、再度試してみたらとあることに気が付きました。
それは、セルが回るけどエンジンがかからない時があったりするということ。
オーナーに話を再度聞いてみたら、キーが抜けなくてシリコンスプレーを鍵穴からかなり噴射したと言っていました。
もう一度シリンダーを外してみたら、おそらく原因が掴めました。
それはシリコンスプレーで、シリンダーについているイグニッションスイッチや、シフトロックを解除するアクチュエーター部の導通不良が起きているということ。
シリコンスプレーって、各自動車メーカーが注意喚起をしていますが、絶縁にする特性があるんです。
よく中古車を仕上げようとシリコンスプレーを使って、車の内装を磨き上げる営業マンをみた事がありますが、あれは駄目。絶対ダメなんです。
オーナーがキーの動きをスムーズにさせようとしたことが裏目に出て、シリンダーに付属しているスイッチが壊れてしまった。
ただ幸いだったのは、キーシリンダー部は再利用が出来る為、キーを交換する必要はないという事です。
メインキースイッチ部を交換して直りました。ちなみに、エンジンに火が入ってすぐに止まってしまうような状態の場合、イモビライザー系統の故障コードが入ってる可能性があります。
診断機で消去をするか、バッテリーを外して放置するなどして、メモリーを消去しないとエンジンに火が入っても続かないので注意してください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。