VWに乗っている人から、こんな相談を受けました。
その人は長くVWの車を乗り継いでいます。昔はビートルに乗っていましたが、現在はポロに乗り換えてます。
相談の内容は何かというと、
「ビートルに乗ってた頃はどこの汎用オイルで交換しても問題なかったのに、ポロになったらオイル交換をした後に壊れてしまった」
というものです。
詳しく紹介します。
目次
ビートルのエンジンオイル交換は汎用品で問題なかった
まずビートルに搭載されているエンジンですが、AQYというエンジンを積んでいます。この頃のVWのエンジンって、今のよりも頑丈だったなってイメージがあります。
オイル交換はいつも安いところで交換をしていたそうです。
走行距離が12万キロを超えて乗り換えるまで、特に不具合なく乗り続けることができたとのこと。
確かにこの当時のゴルフやポロを何度か車検整備で触ったことがありますが、汎用オイルを使っていても問題なかったように思います。
このAQYというエンジンはタイミングチェーンでバルブタイミングを取っています。
いろんなお店で安いオイルを入れていたけど、問題は起きなかった。
ポロに乗り換えて、いつものようにオイル交換をしてもらったら故障した
そしてこのオーナーは、車をポロに乗り換えました。
ポロに搭載されているエンジンはCBZというエンジンです。
どのように壊れたのかというと、オイル交換をしてから間もなくして、エンジンのランプが点灯しておかしくなったというのです。
エンジンは力もなくなり、音も変でとても乗っていられるような状態じゃなくなった。
この時点でピーンと来ました。
結果、どのような故障だったのかというと、タイミングチェーンのコマズレでした。
どうしてこのような事態が発生したのか?同じVW車なのに、ビートルとポロで何が違っているのか?
オイル交換が原因でポロは壊れたのか?
最初に考えないといけないのは、オイル交換がもとでポロのエンジンが壊れてしまったのかということ。
最終的にリカバリーをした整備内容を聞いてみると、エンジン不調になった時点で基本的な点検をしたが、オイルの量などはきちんと入っていたとのこと。
オイルはちゃんと入っていたとしたら、オイルの質に問題あったのか?
しかし、このオーナーは以前にも同じ整備工場でオイル交換をしているとのこと。このことから、オイル交換とオイルの質が直接故障の原因になったとは考えにくくなります。
もちろんその時も同じ汎用オイルを使用していたという。
ポロに限らずタイミングチェーンはその張り調整を、エンジンオイルの油圧を使って調節しています。
オイル交換をしたタイミングで、油圧に変化が起こるため、オイル交換がきっかけになった可能性はゼロではありません。
修理内容で保証を取りたいのなら、純正部品をつかってディーラーで作業をしていること
こういうケースって、オイル交換をした工場も後味が悪いです。悪いタイミングが重なったとしか言いようがないです。
というのも、このポロに搭載されているエンジンですがタイミングチェーンが弱いことで有名です。
タイミングチェーンが某国製のものを使っていて、結構早いタイミングで伸びてしまう。チェーンが伸びてきても、油圧のテンショナである程度は補正をかけてくれます。
しかしテンショナの守備範囲を超えて伸びてくると、いつタイミングがズレるかわかりません。
今回の場合、朝一発目の始動で壊れてしまったというのです。油圧の立ち上がり方に変化が起きたため、とどめのきっかけになった可能性が高いです。
オイル交換をしないでいたら、もう少しは使うことができたかもしれませんけど、時期にコマズレを起こすことは明白でした。
ポロのタイミングチェーンは23210円で、テンショナが12870円です。オイルなども抜けてしまう為、総額で13万弱の修理費用がかかります。
このエンジン、多くの車種で同様のトラブルを発生しているため、部品に問題があると考えます。
保証修理を訴えるのなら、すべての作業をディーラーで行っていないと難しいでしょう。ディーラーから言わせると、違うオイルをいれられたという主張もしたいですし。
オイル交換も毎回ディーラーで純正オイルを使っていれば、まったく腑に落ちない故障だ!と言えると思います。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。