VVTユニットの制御

今の車には当たり前のように使われだしてきたVVT。これを本日は改めてご紹介したいと思います。

VVTというのは、トヨタの可変バルブ機構です。Variable Valve Timingの頭文字をとってVVT。

可変バルブタイミングというものの中には大きく分けて2種類あります。カムの位相を変化させるものと、バルブリフト量を変化させるもの。トヨタのVVTは前者。ホンダのVTECが後者になります。

バルブタイミングを制御するという意味合いで可変バルブ機構と呼ばれます。可変バルブタイミングか可変バルブリフトかという区分けですね。

vvt1

これがトヨタの可変バルブタイミング機構。VVTーi。通常カムシャフトはタイミングベルトやチェーンによって回されています。機械的に回されているだけなので、バルブタイミングはカムの山から変更が出来ませんでした。ここに、可変させるためのスプロケットを特殊なものに交換して、油圧でバルブのタイミングを変えているわけです。

大体角度として40度前後位相させるようになっています。

vvt3

vvt2

これはそのVVTユニットの断面図になります。真ん中のベーンの部分にカムシャフトがネジ止めされていて、ケースの中の40度くらいの角度幅を進角したり、遅角したりしています。

一昔前ではDOHCならインテークカムに取り付けられているケースが多かったけど、高性能なエンジンになると、エキゾーストにもVVTのユニットを取り付けているものもあります。基本的に3段階にわけてバルブタイミングを変更しています。

基本的には負荷を与えた時には進角させて、あとは遅角にしています。

キモとなるのがオーバーラップと呼ばれる部分。これはインテークバルブとエキゾーストバルブが両方開いている状態のことをさします。

1、アイドリング時にはオーバーラップさせると燃焼が安定しないので、遅角させています。

2、負荷をあたえていくと、オーバーラップを大きくとるようにさせて、内部のEGR効率を高めたり、ポンピングロスを低減させるために進角させます。

3、高回転時には回転数に合わせてインテークバルブをとじる用にして、吸入空気の慣性力にタイミングをあわせて体積効率を向上させています。

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VVTの油圧ソレノイドバルブから、進角室、遅角室にそれぞれ油圧をかけてカムの位相を変化させているわけです。このVVTのソレノイドバルブがオイル交換などをしていないで固着すると、エンジン不調を起こします。

vvt5

これがソレノイドバルブです。油路を切り替えて油圧を制御しますが、オイル交換をきちっとしていないと動きが渋くなります。そうすると、片一方の部屋にしか油圧がかけられなくなり

「常に遅角」「常に進角」

という故障を生み出してしまいます。困るのが進角側に固着してしまったケース。エンジンがうまく始動できなくなってしまうわけです。

ソレノイドバルブを外して、スプールバルブの動きをチェックしてみて渋かったら交換した方が無難です。あと、コンピューターがエンジンが進角の状態でアイドリングがうまく続かない時は、このソレノイドバルブへの電圧が進角されているのに遅角制御の電圧になっていることがあります。これは進角で固定になっているため、コンピューターはなんとかして遅角へ戻したいので、遅角制御用の電圧に制御しているということになります。

つまり、その現象とは反対の制御電圧がかかっていれば、これはバルブが固着しているのかな?というような想像もできてくるわけです。いずれにしても、診断機を使ってモニタリングすればある程度の情報がつかめますので。

こういった可変バルブタイミング機構もオイル交換がかなり重要になります。こまめにオイルを換えていれば無用なトラブルは避けられるでしょう。

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