エンジンオイル交換を怠ったため、メタルの打音が激しくなり
結果エンジンストールしてしまったボクシー。
いわゆるエンジンブローしてしまったんですが、オーナーはまだボクシーに乗り続けたいということで
リビルトエンジンに載せ換えることになりました。
というわけで、トヨタボクシーのエンジン換装をレポート。といっても大雑把に話を進めさせていただきます。
まずは、エンジンを下ろすといっても、この4WDの横置きエンジンのボクシーはどうやっても上に
抜くのは絶望的。なので、下に落とします。
現場でよくやるやり方ですが、メンバーごと一緒に、全て下へ落とす方法で行いました。
まずはオイルとクーラントを抜きます。
そしてフロントパイプを外します。
ATFも抜いてしまった方がいいかもしれない。
プロペラシャフトをリヤデフに合いマークをつけて外します。
ある程度進んだらリフトダウンで、フロントバンパーが邪魔なので外してしまいましょう。
グリルを外して、バンパーを外します。簡単
そしてラジエターホースをアッパーとロアで外します。
ホースはラジエター側で残してきましょう。
ラジエターを外すにもコアサポートがフレーム止めされているので、
エンジンフードを開けるフックが付いているパネルのネジを外します6本くらい。
そして、コアサポートを上手く交わしながらラジエターを上に抜きます。因みにサブタンクを外しておかないと
ウォッシャータンクに当たってしまうから、サブタンクを先に外しておきましょう。
エアクリーナーケースとバッテリーを外します。
セルモーターにつながっている配線も外します。
ヒューズボックスを少し分解すると、エンジンECUにつながる部分で分岐させることが可能。
一般にジャンクションボックスと呼ばれている部分です。
結果インパネでの作業は、助手席のコンソールボックスを外して、その奥にあるECUの配線を抜けばOK
特に室内で行う作業はこれとステアリングシャフトのネジを外すことのみ。
配線のカプラーを抜いたなら、エンジンバルクヘッドよりエンジンルームへ配線を引き抜きます。
車両側のハーネスですが、エアコンコンプレッサーは車両側に残しますので
コンプレッサーにつながる配線は外しておくこと。
補記ベルトを外して、エアコンコンプレッサーを外して、
フロント側へ針金などで固定しておきます。センターメンバーにエアコンのホースのステーがネジ止め
されているので外しておくこと。
パワステはタンクもすべてエンジンと一緒に落とします。
パワステホースが車両側につなげられている部分を全て外しておくこと。
そして、ヒーターホースをはずす。
燃料ホースは一つはカプラー。もう一つはクランプで止まっています。
インマニからブレーキブースターへつながるホースも外しておいてね。
あとはステアリングシャフトをラックと分岐室内のシャフト部分のスプラインのネジも緩めておかないと
もしかしたらシャフトはなかなか外れないかもしれないので、僕は外しました。
ATのシフトワイヤーも外しておく。
ステアリングナックルとストラットを外します。
キャリパーも外してローターを外して、車輪速センサーも外す。
ナックルは一緒に落とします。
一応ATFとトランスファーのオイルは抜いたんですが、エンジンASSYの載せ換えならばトランスファーの
オイルを抜くだけでOKです。
これでプロペラシャフトを外したら、エンジンとミッション、そしてメンバーの下に台車などを
おいて、まずはバランスよく配置。
配置が出来たら、エンジン・ミッションマウントを落とす。
そしてメンバーのネジを外していきます。最後にメンバーの取り付けネジ左右1本外して
完全に落とします。
これでリビルトエンジンに組み替えていきます。
組みつけの際気をつけないといけないのは、インジェクター。
どうやらコレは高圧の直噴方式みたいなので、無理に外さないこと。
デリバリーパイプを先に外して、インジェクターをエンジンに最後に残して外すようになります。
エンジンガスケットセットがリビルトエンジンに付属しているのでパッキンは全て交換
リビルトエンジンの説明書にもかいてありますが、
すぐに組み替えではなくて、できる限り洗浄をしてから組み付けること。
各ホース、バルブ、インマニエキマニ。
問題の高圧インジェクター
これを外すのが一番大変
インジェクターにおいては、掃除など何も手を入れないほうがいいと思います。
ボクはインジェクターを付け替えただけですが、2本壊しました。
本当にきつくはまっているので、慎重に傷をつけないように外してください。
お勧めはインジェクターを全て新品にするということ。僕は載せ換えた後ふけないエンジンのせいで
再びエンジンを下ろしてインジェクターを結局4本全て新品にした。
回り道をしたくなかったらインジェクターは4本新品にすることをお勧めします。
インジェクターのパッキンを換えて、デリバリーパイプをはめるときは、
インジェクターのOリングにオイルを塗布
デリバリーパイプの内側にもさっとオイルを塗っておくとOリングがかまないではまります。
ボクは潤滑剤をぬって組み付けたけど、Oリングがかんでしまい
ガソリン漏れが発生して再びエンジンを下ろす羽目になりました。
因みにディーラーではインジェクターまでならエンジンを載せた状態で交換できるそうです。
が、大変だと思う。
古いエンジンをミッションから外すために、
サービスホールより、トルコンとリングギヤを固定しているネジ6本を外します。
ネジロックが塗ってあるので硬い。
そしたらエンジンとトランスファーを固定してあるステーのネジ14mmを4本外して、ステーをフリーにしておいて
エンジンとミッションのネジを外して切り離し。
メンバーもトランスファーもステアリングラックも全てそのままで
エンジンだけ引き抜けます。
ATFも抜かなくても良い。トランスファーオイルとエンジンオイルとクーラントのみ抜けば
ボクシーはエンジン載せ換えられることが判明。てっきりドライブシャフトを落として
メンバーを落とさないと駄目だと思ったのに。
リングギヤを新しいエンジンに移植。ここにもネジロックが塗布されています。
気をつけて。
ドッキング。2人くらいでやったほうがすんなり入る。
ボクは一人虚しくやったけど(笑)
ドッキング完成。再びリングギヤとトルコンのネジをネジロックを塗って取り付け。
この降りている状態でクランクプーリーも規定トルクで締め付けて置きましょう。
ちなみにトルクは忘れた(笑)ネッツに聞いてください。
あとはつなげられるハーネスやアースを組み付けて、外してあるネジなど
つけられるものは全てつけておく。
パワステの配管を気をつけて、車体側のエアコンパイプにも気をつけてゆっくりボディを被せていきます。
そしてメンバーのネジをある程度固定。
エンジンマウントとミッションマウントも固定したら大丈夫。
あとはガンガンと元に戻していきます。
パワステの配管と、エアコンコンプレッサーをとりあえず元に戻して
エアコンコンプレッサーを取り付けたなら、補機駆動ベルトを取り付け
プロペラシャフトを取り付けて、ナックルをストラットに固定
ABSセンサー、キャリパーを組み付け。タイロッドも。割りピンを忘れないように
あとスタビライザーのリンクロッド。
足回りはこんなもんでしょうか?
ステアリングシャフトを締め付け。
ATFも抜いたのでとりあえず給油
最初はコイルへのカプラーを外しておいてある程度クランキングして
オイルを循環させる。
そしてエンジンを始動させます。これで漏れなどをチェック。エア抜きもある程度は行うこと。
というわけでボクシーのエンジン載せ換え、コレにて終了となりました。
エンジンがふけなくて、燃料系統のエラーコードが表示される場合
インジェクターの故障と燃圧センサの故障の疑いがもたれます。
正常なシリンダーとのプラグの焼け具合を見て、おかしいシリンダーが合った場合は
インジェクターが壊れた可能性があります。
インジェクターは新品にすることをお勧めします。
でも1本25000円ちょっと。4本で10万円しちゃうんですよね・・・
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。