新人がバルブクリアランスの調整をしたいけれどやり方がわからないと聞いてきた。
学校で習ってきたんじゃないのか?2級ディーゼルまでもっているくせになんてこと聞いて来るんだ。
3気筒でのバルブクリアランスの調整がわからないらしい。
圧縮上死点で吸入と排気のバルブを調整して・・・。ということまで覚えているらしい。
3気筒だと1番シリンダーが圧縮上死点のとき2番3番がどうなっているのか?わからないらしい。
まずクランクシャフト2回転で4サイクルエンジンは吸入から排気までの全ての行程を終わらせる。
クランクシャフト2回転ということは720度だ。
そこで4サイクルだから720度を4サイクルで割ると180度だ。これが1サイクルあたりの作動になる。オーバーラップなどを考えないで進めます。吸入~180度~圧縮~180度~燃焼~180度~排気~180度~吸入とまあこんな感覚になってくる。圧縮上死点はちょうどピストンが一番上に来ているときだ。
3気筒エンジンなら720度の行程を気筒数で割ると240度になる。つまり240度クランクだ。
圧縮上死点は単純にいうと吸入行程の180度を終えて圧縮の行程もちょうど終わった頂点だから360度の位置にある。1番シリンダーが360度の位置にあるのなら、他のシリンダーはそれよりも240度ずつずらされている。こうしないとスムーズにエンジンが廻らないからだ。
4気筒なら720度を4で割って180度だ。シリンダーは180度ずらした状態で燃焼をそれぞれ繰り返す。6気筒なら120度ずれになる。
これにあとは点火順序を当てはめればいい。3気筒はそれぞれのシリンダーは240度間隔をずらされている。
1番が360度の圧縮上死点なら、次の点火順序の3番シリンダーは240度ずれた600度の位置に居る。
600度は排気上死点へ向かっているので排気のバルブを押しているので吸入側のバルブの調整が可能。
そこからさらに240度進んだ840度になると、計算すると120度の場所にあたる。
2番シリンダーのピストンは吸入下死点へ下がっているので排気側のバルブが調整できる。
残りは2番の吸入と3番シリンダーの排気バルブの調整だけだ。ここから360度進めて1番排気上死点に持っていくと3番が圧縮上死点へ向かっているので排気バルブの調整が可能。
2番シリンダーは480度付近だ。燃焼下死点手前にいるので吸入バルブの調整ができる。
自分で図を書くとバルブクリアランスも簡単に理解できるぞと。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
ちゃんと学校を卒業して、立派な資格も持ってるはずなのに、基本的な事が分からない…。
授業では分かってたはずなのに、いざ実戦となると出来ない、分からない?
どうなんですかねぇ!?
と言ってる自分は、自動車整備士専門学校中退してますが…。
いざとなると使える知識がうまく出てこないのかもしれませんね。
これ直列エンジンならカバーは一つ外せば全部見えるし圧縮上死点の気筒は
カムがどのロッカーアームやプッシュロッドにも当たっていないから
揺すって確かめる方法もあるけど水平対向エンジンは右バンク・左バンクと
移動すると混乱しかねないので、ちゃんとシミュレーションしときましょうね。
クリアランス調整がいるレオーネ殆ど残って無いと思うけど・・
水平対抗は大変そうですね・・。レオーネを乗っている人はもうほとんどいませんね。前にサイドブレーキがあるんですよね。あれ