いざ中古車を買おうって言うときに程度のいいものをGETしたいのは当然ですよね?
ここでは車の程度のチェック方を現役整備士の立場でお伝えしましょう。
まずはなんといってもエンジンですね。
エンジンがまともでない中古車は買うべきではありません。
のちのちに痛い目をみることになりますからね。
例えば、お客さんの車でエンジンオイルを2万5千キロ換えていなかった人がいました。
その車は下取りになって、いざ販売しようとエンジンオイルの漏れを修理してエンジンを開けてみてびっくりどうですか?こんなに真っ黒にスラッジがたまっています。
こんなエンジンを搭載している車は当然世の中にたくさん出回っています
さっと清掃した後です。ここまで綺麗にすると、先ほどの状態になっているとは思わないでしょう。
これは6万キロ交換していないプラグ
ひどいもんです。規制緩和で車検制度が改正されてからユーザーによる車管理がなされている昨今こんな状態の車はそこらじゅうにあります。
これは8万キロ交換していないエアクリーナーです。
どうですかこんな中古車なんかほしくなくなってきますよね?
それではどうやって程度のいいエンジンの中古車を買うか?見極め方はいくつかあります。
ボンネットを開けれるならまずはオイルレベルゲージを抜いてみてください。
ヴィッツのエンジンです。旧型ね
この車、実にエンジンオイルを2万キロくらい交換していない車なんですよ。
エンジンオイルを交換しないでいると、隋著に現れる部分はココ
レベルゲージ
この汚れは、結構沈着します。
ごしごしとウエスでこすってやらないと駄目。
綺麗になった。
なので中古車を買うときは、レベルゲージにこのようにオイル焼けの跡があるようなら
絶対に買わないようにしましょう。
ゲージは業者がふいてごまかすケースがあるのでオイルフィラーキャップを開けてみて
確認しましょう。
このようにエンジンの中がきれいなことを確認しましょう。
さすがにヘッドカバーを開けて清掃まではなかなか業者でもやらないところがあります。
なのでエンジンのオイル管理をはかる目安は
レベルゲージのオイル焼けを見る
オイルフィラーキャップを開けてエンジン内部を覗く
この2点で目視して中古 車のエンジンは一つの判断
そしてエンジンをかけさせてもらえるならかけてみてください。
まずはきちんとかかるか?
始動性をチェックしてね。
そして大切なのはエンジンがかかっているときに
マフラーから白煙が出ていないか?
冬にマフラーからもくもく出るのは大体が水蒸気です。
しばらくエンジンがあったまれば水蒸気は消えてきます。
しばらくかけ続けていてももくもくと白い煙が出ているようならエンジンのシリンダーが減っているかヘッド部分のオイルシールが漏れてきて下がっている可能性があります。
水蒸気と白煙はよく見れば区別つきます。
水蒸気のほうが透明に近いけど白煙はもろに煙です。匂いでも判断できます。水蒸気は若干ガソリン臭いですが、煙はオイルが燃える匂いがします。
これらを買うときに判断してください。
エンジンはオイル管理がしっかりしてれば20万でも30万kmでも使えます。
それだけの耐久性があるんですよ。自動車のエンジンは。
中古 車のエンジンのチェックは以上ですね。
あとエンジンを見回してオイルが漏れて黒くなっていないかチェックもしておいて。
事故暦
錆の度合い
ブレーキなどの状態
こんなところでしょう。
車が事故を起こしてフレームまで曲がるような大きい事故であれば
後々に問題が出てくる可能性があります。
事故をして問題になるケースが
①耐久性
②ハンドリング
③原因不明の故障
この辺ですね。はその判断もしないと後で泣きを見ることになります。
①の耐久性はそのままですね。
きちんとした業者がきちんと修理してれば大丈夫ですが、中古車は下取りがいくつでどのくらいで売るかによってきます。
なので手抜きで修理されているケースも多々あるんですよ。利益を上げるためにね。
なので大きな事故をしている車は当然却下。
事故暦有と書いてある車は一応やめておいたほうが無難です。
②のハンドリングはこれもきちんと修理をしていない中古 車はハンドルがどっちかに
とられたり、タイヤが片べりするなんてことが起こるんですよ。
事故を修理するときは、それぞれ決まったポジションから決まったポジションの寸法をはかります。
そしてその誤差が出ないようにフレームを修正していかないと当初の性能がでないわけですよ。
ですがそこまできちんと直してあるか?
ということです。ひどいときなんか一目瞭然で左側と右側のタイヤとタイヤの間いわゆるホイールベースの長さが違っているなんて車もあります。
こういう車は当然まっすぐ走らないんですよ。
③の原因不明の故障。これはどういうことかというと、事故をして配線を押している、そんな車は中で配線が切れかかっていたりします。
突然ウインカーが切れた。でも段差を乗り越えたらまたついた。
エアコンが突然動かなくなったなどという原因不明な故障がおこります。
エンジンが突然とまっちゃうとかかからなくなるとか
これは配線の状態が大きく左右します。
しかもこういったぎりぎり断線していないような配線は専用テスターで診断しても正常と判断されてしまいます。
故障を探求するのはかなり苦戦することになるんですよ。
以上事故車は百害あって一利ないということですね。
事故車は避けてください。
こんな事故をして適当に修理しているような
を買ってしまったら後々に痛い目にあいます。
事故車かどうかを判断するのはまず絶対に整備では緩めないネジが緩められた後がある。
これはフェンダーなど組み立て終わってから塗装されている部分
このネジの塗装にズレがある
一度外されているような跡がある。
こういうのはフェンダーを換えている可能性があります。
あとよーく車の色を見てみると、明らかに色が違う部分がある。
たとえばフロントバンパーとボディーの色が違うリヤバンパーとフェンダーの色が違うなどよく目を凝らして塗装をみればわかります。
一部分でも色がおかしいところがあればそれは事故車に近いと判断しましょう。
その辺を買うときはチェックしてください。
錆は当然車を傷めます。
新車は錆はないですが
は錆があって当然。ではその錆はどこの錆か?
シャシーブラック
こんな感じでスプレーガンに取り付けて
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シャーシに向かってプシューっとな♪
仕上がりは一目瞭然!
↓
とまぁシャーシであればこのようにシャーシブラックを塗布して新車のような光沢を
与えることが可能です。
なので問題になるのはシャーシの部分ではなくボディの部分の錆。
をよく見て一体どこが錆びているか?
シャーシであればパスターを車検ごとに定期的に吹かれていればさほど錆びてはいないでしょう。
でもボディーはマメに洗車をしたりしていないと錆びてきます。
特に積雪地方は塩カルを凍結防止に道路にまくので本当にボディーが錆びます。
こんな車は買わないほうがいい。
ボディーが錆びている中古車
フレームが朽ち果てている
ショックアブソーバーがブラブラ状態
ここまで錆びて車としての機能を果たせていないものは車検で当然指摘されて落ちます
これは極端な車でこのケースはメーカー補償になるものですがボディーの錆というのはとても怖いということですね。
中古 車を買うときは錆びていないかチェックしましょう。
あまり錆びているような車はマフラーも穴が開いている可能性があるので後に痛い出費になってしまいます。
そして最後はブレーキですね。
ブレーキはタイヤを外さないと駄目なので目視によるチェックはなかなかできません。
完全に終わっています。
実際、ブレーキパッドが完全に終わっている状態でブレーキングをしてみたんですが、
まじで止まらない雪道や砂利の低ミューな路面でABSを利かせてブレーキしているような感覚といえばいいでしょうか?
そんな感じです。
もう一枚もこのとおり
ブレーキローターもレコード盤みたいに筋ができてしまっています。
こうなったらもうローターも使えません。
とまぁブレーキは命にかかわる部分でもあります。
もし車を乗ることができたらブレーキが鳴いていないかチェックしましょう。
キーってブレーキがいつも鳴くようでしたらブレーキパットモニターが効いている証拠。つまり減っている証拠です。
中古車を買う上でブレーキの残量は車検証を見せてもらって、分解整備記録簿があればそこにブレーキの残圧が書いてあります。
それがフロントで6mm以上なければブレーキは減り気味です。
リヤはドラムブレーキなら3~4mm
ディスクブレーキなら6mm以上あったほうがいい。
ブレーキの残量をはかる簡単な方法としてエンジンルームを開けてブレーキのタンクを見てブレーキ液がどのくらい減っているかを確認します。
MAXとMINの目盛りがありますが、
MAXに近ければブレーキはあります。
MINに近いようだとブレーキが減っています。
まぁこれはブレーキ液を補充されちゃうとわかりづらいですが、一応確認をしてみてください。
以上が中古 車を買うときの程度の目安ですね。
あと中古車を買うときは保障があるかないか?
きちんと電装品は動くか?エアコンの調子は?オーディオの調子は?
一応全て稼動させてみてチェックしないと駄目です。
新車というのはある程度値段が決まっているため儲けが殆ど一律です。5万~10万円。
でも中古車は仮に5万円で下取りした場合でも店頭に並べば30万、40万なんてプライスが付く場合もあるんですよ。
なので業者は新車を売るよりも自分で仕入れた中古 車を売ったほうが断然儲けになります。
かけひきに負けないように自分でチェックする目を持って中古 車を買うようにしてください。
少しでも中古 車をかう時のお役に立てたら幸いです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。