NAという自然吸気エンジンには関係ないことですが、ターボチャージャーを積んでいるエンジンのターボ。タービンと呼ばれるコンプレッサーを使って、シリンダーへ排気量以上のパワーを出すために空気を圧縮して運ぶシステムです。
このターボに交換時期はあるのか?そしてその費用はどのくらいというのを今回ご紹介。まずはターボの仕組みから。
エンジンは空気と燃料を混ぜて燃やして排気ガスとして出します。排気ガスの力を回収してターボチャージャーを回し、そのコンプレッサーで吸気側から圧縮した空気をエンジンへとはこんでいます。
自然吸気エンジンに比べるとタービンのコンプレッサーで圧縮して空気をエンジンへ送り込めるので、実質的に排気量以上の空気をエンジンに取り入れることができます。
なので、同じ排気量のNAと比べてパワーが出る。これがターボの仕組みです。
それではターボの交換時期はどのくらいなのか?これは即答ですが、壊れるまでつかうということになります。
ターボチャージャーには交換の時期というものはなく、オイル管理をしっかりとしていればずっと使える部品でもあります。中には機械的に故障を起こしてしまう場合もありますが、ターボは壊れたら交換。というのが交換時期です。
ターボが壊れる原因として、オイル交換を怠ってしまうケース。ターボエンジンはオイルをまめに交換しないといけません。ターボの軸をオイルが通っているんですが、オイル交換を怠るとゴミが詰まってすぐに焼きついてしまうからです。
手に持ってるボルトの根元に小さな穴が空いてるのがわかると思いますが、これがターボにオイルを送るパイプのユニオンボルトです。オイル交換をしないとこんな小さな穴、すぐに詰まってしまうのです。ターボが壊れると、エンジンから白煙が出たり、アクセルを踏んだ時にギャリギャリする音がしたりして力が出ない。などという症状がでてきます。
ターボは一にも二にもオイル交換がキモになります。
ターボチャージャーは壊れるまで使う。壊れたら交換時期です。
ターボの交換費用はどの程度かかるか?ターボチャージャーは部品代がはっきり言って高額です。軽自動車のものでも5万円ちかくします。
これに工賃が入ってきますが、工賃も結構かかるんです。ターボチャージャーは排気システムに取り付けられていますが、簡単には外せません。エキゾーストマニホールドごと外さないといけない車もあります。
雪国などでは排気のネジやボルトが錆びてネジ山がなくなっていることもたくさんあります。その一つ一つを酸素で炙りながら外すので大変です。
ターボの交換費用を算出してみると、5万円〜20万円程度になってきます。高性能なスポーツカーに採用されてるツインターボなどでは30万を超えるケースも出てきます。
具体的にターボが壊れるとどうなるか?
僕が体験した中ではターボが壊れると
・白煙がものすごく出て力がなくなる
・アクセルを踏むとギヤ鳴りのような金属音が聞こえる
・アクセルがまったく吹けない
こういった症状が出ました。ターボ軸からオイルが漏れて、吸気系へ入ってる場合はもうエンジンオイルが燃まくるので白煙がすごい出ます。
中にはアクセルを踏むとターボの軸が壊れて、羽が壁にあたってしまう。こうなると嫌な金属音がアクセルを踏んだらでます。この症状がさらに進むと、タービンの羽が障害となってエンジンに空気がうまく入らなくなるので、エンジンが吹けないといった症状にも繋がってきます。
ターボの故障を放っておくとエンジン本体にもダメージが入りますので、こういう症状がでてきたらすぐに整備士に相談しましょう。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。