トラックに乗っているお客さんに、サイドブレーキが甘いから見てくれと言われました。サイドブレーキにはいくつか種類があり、今一番進んでいるのは電動パーキングブレーキというものがあります。
電動パーキングブレーキは、その名の通り電動でサイドブレーキを制御しています。
スイッチがあり、スイッチを押すとモーターが動き出してブレーキをロックする仕組みです。
分解整備の時は解除をして分解しないといけません。
あと主流なサイドブレーキというと、サイドブレーキのレバーからワイヤーが伸びて後輪に接続されているもの。機械式のサイドブレーキです。
サイドブレーキレバーを引くことで、ワイヤーが動きリヤブレーキを油圧ではなくワイヤーで稼働させる。
サイドブレーキレバーにはギザギザがついていて、ブレーキをロックした状態のままにできる。
これはドラムブレーキでもディスクブレーキでも一緒。
それではトラックのサイドブレーキはどうなってるのか?
これは三菱キャンターを真下から見た図です。
ミッションの後ろに黒いドラムブレーキがあって、そこからプロペラシャフトが伸びているのがわかります。
トラックはミッションの後ろにドラムブレーキを備え付けて、キャビンのパーキングブレーキレバーを引くことでミッション後部をロックさせています。
これがセンターブレーキと呼ばれる所以になります。
もちろん車検時に分解して内部を確認。
プロペラシャフトを外してドラムを外します。
中にブレーキシューが入っているのがわかります。
トラックって全長が長いため、後輪までサイドブレーキワイヤーを引き回すと、長すぎます。ワイヤーが長いと遊びも出やすいし、効きも甘くなりがちです。
こういった理由からトラックのサイドブレーキはセンターブレーキを使っています。
普通サイドブレーキをかけると、後輪がロックして全く動かなくなります。
ですが、トラックの場合センターブレーキを採用しています。これはどういうことなのかというと、厳密にいうと後輪は動きます。
それでは坂道などで動いてしまうじゃんと思いがちですが、ミッション後部のセンターでロックしているので、車は制止状態を保持できています。
デフのピニオンギヤの遊び分は後輪が動きます。でもそれ以上はタイヤが回転できないので、結果としてサイドブレーキと同じ状態になるということです。
トラックのセンターブレーキについてでした。
トラックドライバーにサイドブレーキを調整してくれ!と言われると、整備士は車の真ん中付近に潜るのはこういった理由です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。