Categories: 足廻り

トラックのリング付きホイール

冬になってきました。タイヤ交換が現場では忙しくなってきたところ、毎年恒例のお客様の
トラックが入庫。車検でおあずかりです。エルフのダンプカーで、18万キロオーバーの車両。
使い方もなかなかハードで、整備も苦しい車両。
その車検の中で毎回夏タイヤからスタッドレスタイヤに組み替えるという依頼があります。
ホイールは1セットしかないので、毎年車検の度にタイヤを組み替えています。
このエルフのホイールはいわゆるリング付きのホイールです。
通常のタイヤチェンジャーで行う組み換えとは違い、整備士が体を使って、ハンマーを振り下ろして
タイヤレバーを駆使して組み替えていくもの。

一番はこのトラックのリング付きホイールの組み換え時には事故が多いということ。
どのような事故かというと、最後にエアーを入れる作業があるんですが、そのときにタイヤの
ビードが持ち上がってきて、その反動で固定してあるリングが飛んで行ってしまうというもの。
この飛んでいったリングが、作業者に直撃して最悪は死亡事故に至るケースもあるのです。
ボクは今までこういった経験はありませんが、特に注意して作業をするようにしています。
先輩から教わっている方法は、ホイールの中にタイヤレバーを突っ込んでいおいて、リングが飛んできても
レバーで防ぐことが出来るという方法。ボクはこれを整備士になってからずっとやっています。
たぶん皆さんも同じなんだと思います。
リング付きホイールの組み換えでもうひとつの問題はパンク。チューブフラップが噛みこんでいたり、
異物が入っていたりすると、装着後すぐにパンクをしてしまう。
これも今のところ経験はないですが、後輩が始めてリング付きホイールを組み替えたときにやってしまった。
原因は、ホイールバランスのウエイトがタイヤの内部に混入していたのを見落としていたということ。
リングホイールはとにかく、基本をしっかりと行わないと駄目。組み替えるタイヤの中を綺麗に掃除したり
ホイールが錆びていたらすこし磨いてやるなどこういった気配りを持って組み替えないと
後々に痛い目を見てしまう。
さすがにこの種のホイールは減ってきたけれど、たまには作業を思い出すためにもいいかもしれない。

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