何度もエンジンオイルが起因となるトラブルを取り上げてきましたが、またもトヨタ自動車から再度の注意喚起がなされたのでお伝えします。
内容を引用します。
エンジンオイルとオイルフィルターを定期交換されなかったことによるエンジン破損や車両火災が発生しています。
トヨタ自動車注意喚起より引用
エンジンオイルが起因となる車両火災ですが、スバルや日産、三菱ふそうにスズキなどからも同じ内容の注意喚起がなされています。
トヨタも以前に同様の注意喚起を行っていましたが、再度の注意喚起となりました。
エンジンオイルの交換を怠っていると、エンジン内部にスラッジが堆積します。それらスラッジがオイルの油路などを詰まらせたりします。
さらに、オイル交換を引き延ばしていると、オイルの性能自体が劣化して、きちんとした潤滑能力を果たせなくなります。
エンジンって、毎分相当な回転数で回っています。もし高速で回転するエンジンにオイルの潤滑がなければどうなるか?
容易に想像できますが、金属同士がこすれあってしまい、焼き付きやら摩耗する。クランクシャフトとコンロッドのベアリングに潤滑不良が発生すると、高速回転しているシャフトからコンロッドが破断して、エンジン内部からつきやぶってくることがあります。
するとエンジン内部にあるオイルが一気にエンジン外部へ噴出して、高熱になった排気管などに付着して着火、車両火災につながる。
自動車メーカーはこの車両火災を恐れているわけです。
オイル交換をさぼって、発生するガラガラ音は、その後にオイル交換をしたとしても直りません。その部分がすり減ってしまうことで発生する異音です。
そして、オイル交換をしたとしても、クリアランスが適切でない状態にあるため、いつエンジンが停止するかもわからないのです。
こちらはスズキのエブリィですが、実際にオイル交換の不備により、コンロッドがエンジンを突き破ったものです。
オイルも相当漏れていますが、この車両はすぐに車両を停止したため、間一髪車両火災までには至りませんでした。
エンジンオイルとオイルフィルターは最低でもメーカー指定のタイミングで交換してください。
感覚的にはもう少し早めに交換したほうが安心です。
自動車メーカーは、エンジンから異音が出たら要注意と注意喚起はしていますが、その後はどうするのか対応策は書いてありません。
異音が出ているエンジンを修理するのはかなり高額になります。リビルトエンジンに載せ替えるのが一番手っ取り早いです。
もし、それほど長く乗らないのであればだましだまし乗ることもできなくはないですが、異音が出たエンジンはオイル交換をしたところで治りません。
そして、いつ止まるかわからないということを覚えておいてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。