これはもはや心の叫びです。冬と春になると僕を恐怖に陥れるのがクリップボルトの交換だ。
何かの事故でクリップボルトが折損してしまったなら僕は納得もいく。しかし僕が行うクリップボルトの交換の8割以上は人為的ミスの積み重ねが生んだ結果なのだ。
ざっくばらんにいうと、規定トルクでホイールナットを締め付けていない結果、クリップボルトが折れてしまうということだ。
もう冬と春がものすごい多い。ひどい日など1日に5台のクリップボルトを交換したこともある。
雪が降るといっせいにタイヤ交換をする。でもってオーバートルクで締めて折れちゃった。
本当にこれが多いのだ。
うちの工場でのケースは、多くがガソリンスタンドでの整備ミスだ。わが社のお客さんが行った先のガソリンスタンドでタイヤを交換してもらったら、インパクトレンチでガガガガと締め付けられてポキッといってしまう。
最強のケースは大型トラックだ。トラックのクリップボルトまで交換する羽目になったのだ。
きちんと整備の教育がされて、ホイールナットで締め付けているガソリンスタンドは大丈夫だが、まれにインパクトレンチで締め付けるだけのお店がある。これが困ってしまう。
先日行ったプレオなど、ABSが付いていたため、ハブを外さないとクリップボルトが交換できなかった。
たかだか1本200円しないクリップボルトを交換するためにハブを分解して、ハブのベアリングまで交換して・・・工賃1万円オーバーとなってしまうわけだ。
こういった車はネジを見ればもう一目瞭然だ。ホイールナットがホイールに食い込むように埋まってるのは明らかにオーバートルクで締められている。ホイールが変形してしまっているので、これはこれでさらに危険である。
規定トルクって大切なんですよ。守っていればめったなことは起こりません。タイヤは規定トルクで締め付けるようにしましょう。
僕がプライベートで使っているトルクレンチです。安いけれどものはしっかりしていますよ。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。