カー雑誌やネットなどで都市伝説のように扱われていること。
「オイル警告灯」が点灯したら、その時はエンジンは終わっている・・・。
「水温警告灯」が点灯したら、その時はオーバーヒートをしてエンジンが終わってる・・。
これは本当なのか!?いろんな情報があります。現場で整備をしている立場からの結果を書くと
「そんなとことはない」
に尽きるのです。順を追って説明します。
まずオイル警告灯から。
このアラジン的魔法のランプみたいな警告灯。まずこの警告灯は何を検知しているか?
これはエンジンの油圧をモニターしている警告灯です。油圧が低下すると、エンジンの潤滑がうまく行われなくなり焼きつきを起こす。
イコール「エンジンが終わっている」
と言われるわけです。このオイル警告灯が点灯したら、本当にエンジンが終わってるのか?これは断じて否!と答えることができます。
なぜ否と言えるか?もう日常茶飯事的に油圧警告灯が点灯した人が、オイル交換にお店にくるから。ひどい人だとオイルのステッカーなんか見てないです。どこかのお店でオイル交換をすると、次回交換距離をステッカーなどでドアやエンジンルームに貼ってくれます。
そんなものは見ない。うちのお客さんにもいるんですが、オイル交換のタイミングは油圧警告灯が点灯したら!
こんな人がいるんです。車はスズキのエブリィですが、実際にそこからオイル交換をしてもエンジンはまだまだ動いている。
油圧警告灯が点灯する原因は、単純に油圧が落ちてきていること。そしてオイルプレッシャスイッチが壊れている時にも油圧が正常でも点灯します。
当然オイルプレッシャと呼ばれる油圧検知のスイッチが壊れて、警告灯が点灯しているのならエンジン的にはなんともありません。
ですが、エンジン内の油圧が低下(オイルがほとんど入っていない)状況下にあったとしても、オイル交換をすれば復活するケースがほとんどです。中には本当にダメな場合もありますけど。
そういうオイル警告灯が点灯してからオイル交換に来る車は、ドレンボルトを外すとオイルがほんのちょっとした出てこない。500ccも出てこないこともザラです。それでもエンジンは動いている。
つまり、オイル警告灯が点灯していてもエンジンは終わっていないケースもたくさんあるのです。
ただ以前遭遇しましたが、メタル音が出ているエンジンで、この警告ランプが点灯したらかなりの確率でエンジンブローすることがあります。異音が出てなければまだまだイケる!
続いてはこちら。
水温警告灯のレッドバージョン。水温が規定値以上に上がった時にランプが点灯します。こいつが点灯したらエンジンはオーバーヒートして壊れているのか?
こちらはオイル警告灯より若干シビアです。
この水温警告灯が点灯しているということは、何かしらの不具合がまず出ています。例えばファンベルトが切れてウォーターポンプが動いていない。ウォーターポンプからクーラントが漏れてしまっている。
ラジエター電動ファンが動いていないなどなど。これらの原因を修理することで正常に戻る車ももちろんあります。ただ、オーバーヒートに弱いと呼ばれている車で、このランプが点灯したら、ヘッドが飛んでいるケースが多いです。
代表的なところではホンダのバモスとか。横置きエンジンのバモスはオーバーヒートしやすい。保証延長が出ているほどです。メーカーがヘッドガスケットの保証延長を出してるくらいなので、オーバーヒートに弱いです。
こういう車にこの水温警告ランプが点灯したらヘッドが飛んでいる場合が多いです。その他特にオーバーヒートに弱いと呼ばれている車でなければ、原因さえ直してしまえばまた普通に乗り出すことができることがほとんどです。
巷で言われていることでも、実際に修理してみるとそうでもないというケースはよくあります。あまり神経質にならなくてもいいんじゃないかなと。
結構ネットでこうだったから、もうダメですか?という相談が増えてきてるので。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。