車検や点検などで入庫してきた車両をチェックすると、多いのがスタッドレスタイヤが減っている車。
スタッドレスタイヤって、プラットフォームまで減っていると、スタッドレスとしての機能を発揮できなくなります。スリップサインよりは手前のタイミングなので、一見すると
「これでもう使えないの?」
と、思う人が多いです。
指をさしている突起がプラットフォームです。
ここまでタイヤが減るとスタッドレスとしての性能は維持できなくなります。
この辺りまで減ってくると、もはやスリップサインを超えて減っているため、車検にも通りません。
プラットフォームまで減っていても車検には通るため、結構な確率でスタッドレスタイヤの交換を見送る人が多いです。
やはり基準になってしまうのが車検に通るかどうか。
目次
タイヤ代をケチって事故になったパターン
先日搬入されてきた事故車。
保険会社より電話があって、事故車両の受け入れ要請で搬入されてきました。
どんな事故だったかを聞くと、よそ見をしていてブレーキが遅れてしまった。思った以上に止まらなくてぶつかってしまったらしいです。
ハンドルで避けようとしてフロント右からドアまで、波及しています。ドアもまともに開きません。
これから板金に出しますが、フロントバンパー、フェンダー、フェンダーエプロン、ヘッドライト、右サスペンションASSY、ホイール、タイヤの交換にドアの板金といったところでしょうか。
恐らくこの規模なら20~30万円位にはなってくると思われます。
なんで止まらなかったのかなって、タイヤを見るとこの状態。
反対側はこの状態。
これはスタッドレスタイヤどころかスリップサインも突破してしまっています。
多分夏で雨が降った日であっても、同じ結果になったかなと。
タイヤ代と事故修理代を天秤に・・かけるまでもない
スタッドレスタイヤを新品にしたとして、このサイズならホイール付きで45000円くらいで買えます。
45000円の値段をケチったがために、30万コースの修理になってしまうとは、天秤にかけるまでもありませんね。
保険を使ったとしても、例えば免責が5万円あったらその時点で駄目ですし。掛け金の上昇だって5万円を超えるのは必須ですよね。
タイヤ代をケチってしまうというのはこういうことになりかねない。
事故に遭ったらその時点で廃車にしてもいい車とかなら、百歩譲ってもいいですけどね。でもそれだって他人を巻き込んじゃ駄目ですから。
スタッドレスが新品であっても止まらなかったら、逆にもう諦めもつきますよね。どんなに高性能な車であっても、最終的に路面と接しているのはタイヤです。
ハガキ1枚程度の面積で接してるタイヤに命を載せているので、タイヤを軽視してはいけませんという話でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。