結構驚いたニュースでした。ツィッターでも取り上げてみましたが、新型レヴォーグに搭載されるエンジンには樹脂製のタイミングチェーンカバーが採用されているという記事です。
日刊自動車新聞の記事です。
よく考えてみてください。エンジンを構成するカバー類がプラスチック製になっているということを。結構驚きますよね。
エンジンって、高速でピストンが動いているイメージがあると思います。中で爆発もしているので熱もすごいし、プラスチックで大丈夫なのかなって。
当然金属に比べると熱で溶けてしまうというイメージもありますよね?しかし、もう20年以上前からエンジンを構成するカバー類はプラスチックに変わっている車もあるんです。
マーチっていうだけで時の流れを感じてしまいます。このK11型マーチにはすでに、エンジンを構成するヘッドカバーが樹脂製になっています。もう20年位前の車ですよね。
エンジンって相当高熱になるのに大丈夫なのかなって心配になりますよね。
エンジンで一番高温になるのはやはりシリンダーの中です。シリンダーヘッドのさらに上であるヘッドカバーまでになると、そこまで高温にはならないということですね。
事実シリンダーヘッドとヘッドカバーはゴム製のパッキンでオイル漏れを防いでいます。
そしてもう一点比較的昔から樹脂製になっているのは、インテークマニホールドです。
これも最初に見たときはびっくりしました。トヨタのヴィッツの1NZあたりで初めて見たんですけど、マニホールドが樹脂製でそもそも大丈夫なのかなって。
だけど長年整備士をやっている中で、1NZのインテークマニホールドが不良になって交換をした経験は僕にはありません。
日産はプラグを交換するのにマニホールドを脱着しないといけない車種もありましたが、パッキンのみの交換で大丈夫。
耐久性は問題ないと考えます。
そして今回とうとう樹脂製になったのがタイミングチェーンカバーです。
その名の通りエンジン前方のカバーですね。タイミングチェーンを覆っているカバーです。通常ここは液体シーリングでエンジンと結合されています。
ぼくも何度もK6Aやヴィッツなどのチェーンカバーからのオイル漏れを修理しましたが、金属製のカバーであってもオイルが漏れてくることがあります。
液体シールをやりなおして、それで経過観察をしてそれでも漏れてくるものに関しては、チェーンカバーを交換するようにしています。
厳密に歪んでいるから漏れてくるわけですから。チェーンカバーをシクネスゲージで歪み測定するというのは無理があります。
金属性でも漏れる時は漏れてきます。
ヘッドカバーは上部についていますが、タイミングチェーンカバーは前方についています。どうしても重力の影響も受けるところなので、下の部分からにじみなどが発生しやすいです。
新型レヴォーグにはこのチェーンカバーもとうとう樹脂製となります。
恐らくは金属製よりはパーツ代が安くなるのではないかなと思いますけど。あとエンジンを構成する部品で樹脂製には何ができるかなって。
さすがにオイルパンは難しいですね。樹脂製だと割れやすいから下廻りをヒットしたらすぐに漏れてしまいます。
熱の問題をクリアしたとしても、ぶつかった時の耐久性はやはり金属製に分がありますから。
驚いたのは何気なく見つけた記事でリツイートしたんですけど、みなさんこの手の技術に興味があって数人の人にリツイートされたことです。
新型レヴォーグまだ実車を見たことがないので、見たらぜひ樹脂製チェーンカバーを撮影したいなぁと思っています。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。