今の車には少なくなってきましたが、タイミングベルトの交換についてです。タイミングベルトというのは、エンジンのカムシャフトとクランクシャフトを繋いでいるベルトです。
このタイミングベルトが切れてしまうと吸排バルブとピストンの動きがバラバラになってしまい、バルブとピストンがぶつかってエンジンが壊れてしまうのです。
エンジンによっては安全マージンをとっていて、タイミングベルトが切れても壊れない設計のものもありますが、性能を突き詰めていくとやはりベルトが切れると壊れるエンジンが多いです。
それではタイミングベルトの交換時期はどのくらいか？自動車メーカーが指定しているのは１０万キロをめどに交換を推奨されています。
ただ、整備士をやっていると１０万キロ前にタイミングベルトが切れて、エンジンが壊れてしまった車を少なからず何台も見てきました。
最低でも１０年１０万キロをめどに交換。僕がオススメするのは７万キロ程度での交換です。７万キロ前に切れてしまうケースもありますが、それはベルトの構造に欠陥があるエンジンが多いです。
タイミングベルト交換時期は１０年１０万キロ。これが最低ラインで７万キロくらいで交換すれば安心です。
それでは、タイミングベルトの交換費用はどの程度かかってくるか？まず一般的にタイミングベルト交換と言われているメニューは、最低でもタイミングベルト・テンショナーの交換を指します。
そのほかウォーターポンプを一緒に駆動してるタイプでは、ウォーターポンプの交換。さらにはシャフトの軸にあるオイルシールの交換も一緒にすることが多いです。
V型エンジンや水平対抗エンジンになると、使っている部品も多くなり部品代がかさみます。
オイルシールもタイミングベルト交換時点では、弾力性を失っているので一緒に交換するのが望ましいです。
それらを統合してタイミングベルトの交換費用を算出すると、３万円〜１０万円くらいかかってきます。
万が一タイミングベルトが切れてしまったら、その修理代はどの程度かかるか？
これはタイミングベルトが切れてバルブクラッシュしてしまうエンジンであれば、最低でもシリンダーヘッドを外してバルブを交換しないといけません。
中にはシリンダーヘッド自体も使えなくなるケースもあります。バルブだけの交換ならさほどでもないですが、ヘッドもダメになってしまうと現実的な修理がリビルトのヘッドに交換。
もしくはエンジンを載せ替える必要が出てきます。
タイミングベルトが切れてしまった場合の修理費用をざっと計算すると８万円〜３０万円程度は覚悟しておきましょう。エンジンにとってタイミングベルトは命綱です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。