ダイハツのタントがエコアイドルオフランプが点滅してしまったということで入庫してきました。
型式はL385Sです。
エコアイドルオフランプが点滅していました。
最初はまたアイドリングストップ用バッテリーの劣化かなと思っていたんです。
初見でバッテリーを見ると、1年前に交換されていました。しかもダイハツ純正バッテリー。
とりあえず診断機を繋いでみました。
すると、ちょっと意外な故障コードです。
P0515バッテリ温度センサ入力系統異常・・・。
ちょっと意外なコードが入力されていました。バッテリー不良の交換で済むと思っていたのに。
まずこのP0515、バッテリ温度センサとは?というところからです。
この故障コードが入力される条件は1トリップです。入力される条件は、バッテリ温度検出信号系統に以上が発生した時。信号系統の断線、短絡など。
この温度センサ、バッテリカレントという名前のようで、信号線とアース線ともにECUにつながっています。
つまり、このコードが出た場合考えられる原因は
・バッテリーの温度が異常になっている?
・バッテリカレント(温度センサ)本体不良
・ECU不良
・配線の問題(短絡、ショートなど)
一つずつ潰していくことにします。まず、故障コードのパラメータを保存しておいて、一旦コードを消去してみます。
一過性の故障なら再点灯までに時間がかかるはず。現在故障コードで出てるので、多分すぐに再点灯すると思われます。
消去してみたら、1トリップで再点灯しました。間違いなく不具合が継続して発生しています。
続いてデータモニターモードにしてみます。バッテリ温度センサが担っているであろうバッテリ液温をリアルタイムでモニタリング。
すると、値が60度のまま固定されています。この日は真夏でめちゃくちゃ暑かったので、エンジンルームでエアコンを入れていると電動ファンの熱気がセンサにダイレクトにかかるため、60度でもおかしくはない。
タントを工場の中に入れて、バッテリー温度センサ付近をひたすらエアブローして物理的に温度を下げてみました。
おそらくエンジンルーム内はある程度冷えたはず・・・。体感的にそう思えるのにデータモニタの数値はまだ60度から全く動きません。
試しにこの状態でバッテリ温度センサのカプラを抜いてみました。しかし、温度は60度固定のまま。
もう一つ気になるのは充電制御バッテリ電流という上の項目も-0.01A固定になっていること。
この時点でなんとなくセンサ不良が一番疑わしいかなと。
ちなみにエンジンをかけながら、温度センサのカプラを抜いたら電流センサ異常というコードも入ってきました。まあそうでしょうねと。
疑惑のバッテリ温度センサを外して、単体試験をします。
この1-4間の抵抗値を測定して
2.2±0.022kΩ(25℃)
でなければセンサ不良となります。実際に測定してみると、無限大になっていました。抵抗が断線している模様です。
というわけでバッテリカレント(温度センサ)を交換しました。4900円もします。
このセンサはマイナスケーブルにビニールテープで固定させるようになっています。クランプ型の電流計と似たようなものですね。
センサを交換したら、エコアイドルオフランプは消えていました。故障コードは過去コードになっていて、消去したら終了。
正常なセンサに変えたら、充電制御バッテリ電流とバッテリ液温もリニアに動き出しました。
ちなみに正常のセンサに交換すると充電制御バッテリ電流はIGオン、エンジン停止、電源負荷なしで-6〜-2Aが基準値です。
その後テストを繰り返しましたが再点灯なしということで、修理終了です。
このセンサが壊れたらどうなるのか?実際にオルタネーターは14V付近まで出ているので、取り合えずの弊害はアイドリンストップが効かなくなっていることくらいでした。
ご参考までに。ECU不良じゃなくてよかったです。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。