ここの所、車両火災についてニュースが流れてきています。SOPHIAの松岡さん所有のビンテージコルベット、松岡さんは愛車の異臭に気が付いて迅速で最大限できる限りの対応をしたことが話題になりました。
改めて、車両火災はなぜ起きるのか?その原因を考えてみたいと思います。
車両火災が発生する原因は主に4つです。
エンジンオイル漏れ、燃料漏れ、配線のショート、ブレーキの引きずりなど。
オイル漏れは、自動車メーカーがさんざんと注意喚起をだしてします。オイル交換をさぼっていると、エンジンから異音が出て、写真のようにコンロッドがエンジンブロックをつきやぶって外に飛び出してくる。
そこからオイルが噴出して、マフラーなどに付着したのち、燃え上がる。
続いてが燃料漏れ。車の燃料ラインのフローはこうなっています。燃料タンク→燃料ポンプ→燃料パイプや燃料ホース→インジェクター。
このどこかで燃料漏れが発生すると、そこから燃え広がる可能性があります。
そして配線のショートです。配線の被覆などが劣化で剥けている。それがボディと接触したりすると、ショートを起こして発熱します。見る見るうちに煙が出て、周りの内装に燃え移るケース。
最後はブレーキの引きずりなどです。ブレーキが引きずったまま走っていて、熱を帯びて発火する。これはブレーキだけに限らず回転部位全てに言えます。
実際にあった話だと高齢者のクラッチ操作で、超高回転の半クラをしたがために発火したこともあります。
松岡さんのビンテージコルベットが炎上した原因って何だったのか?あくまでも推測ですけど、配線のショートなどではないかなと思います。
エンジンルームが意外としっかり残っていたので、オイル漏れではなさそう。燃料系統については、ショップであらかじめ対策をしていると思います。
配線って、予防で交換をしようという部位というよりは、どちらかというと後回しになりがちなところです。特にエンジン制御などで引き直しが必要な場合を除いて、正常に機能していればなおさらです。
もちろんこの年代のワイヤリングハーネスが新品で手に入るかというと、それも難しいでしょう。
あくまで個人的な予測では、配線のショートなどが原因だったのではないかと思っています。
それでは車両火災を防ぐにはどうするべきか?
これはもう、きちんと部品を定期交換するという事が大前提です。エンジンオイルやオイルフィルターはもちろん定期交換です。
燃料ホースも経年劣化をしてきていたら交換しないと駄目。燃料パイプなども、錆びてきていたら交換です。
ブレーキの引きずりなどは、車検や点検でチェックをしてもらえますが、車が重たく感じたらすぐに点検をしてもらうこと。
やはりこの中で一番難しいのは配線関係ですね。配線を定期交換するかというと、なかなかそこまで手を回す人はいないです。
配線で一番切れやすいところは、動く部位です。例えばドアだったらヒンジの部分。バックドア部もそうです。
あと、事故を起こしていたらそこのハーネスが無事であっても、見えない断線がおきているかもしれないので、交換しておくのが安心です。
9割くらいの車両火災は事前整備で防ぐことができます。残りの1割については、予期せぬトラブルになるので、車に異変を感じたらすぐに安全な場所に停車できるようにするのがベストです。
配線がショートすると、焦げ臭くてすぐに煙が上がってきます。そこが常時電源だったらキーをOFFにしても止まらないですけど、もしIG電源やACC電源だとしたら、キーをOFFにすることで、止めることができるので覚えておいてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。