車検証が電子化されるとどうなるか?車検証電子化のメリットとは

9月5日に自動車検査証の電子化に関する検討会というものが開催されました。僕もレスポンスの記事をツィッターでリツイートしましたが、紙の車検証を廃止して電子化に向けて動き出しています。

この検討会の資料を国土交通省のHPからダウンロードすることができたので、内容をご紹介。

まず自動車手続きにおいて、OSSというワンストップサービスがすでに始まっています。車検でも電子保適というものを行うようになっています。軽自動車を除いて、今までの保安基準適合証を電子化して、手続きを簡略化することができています。

ただ、全ての自動車工場がそれをできているかというとまだまだ始まったばかりです。車検証の電子化もこの流れに乗ることになります。

OSSというものが全ての手続きをカバーするとどうなるか?

車庫証明で警察にいかなければいけなかったものが、オンラインでできるようになる。

車検の際重量税の納付やその他手続きの為に陸事に行く必要もなくなる。

自動車税の納付もオンラインで365日24時間できるようになる。

こういったメリットが生まれます。

車検の登録手続きが変わる

車検証が電子化されれば、陸事に行く必要がなくなります。OSSで電子保適を発行してそれを陸事にデータで送る。承認されて、車検証データを更新したものを戻してもらう。

それをユーザー側に書き換えるなど。車検証がなくなる代わりにそれら情報を書き換える媒体が必要になると考えられます。

それはマイナンバーカードみたいなものに変わるのではないかな?通常のカードではなくてICチップが配合されているカードです。でないとカードリーダライタで情報を書き込むことができません。

現在のOSSでは、電子保適でMOTASといわれる運輸局のシステムにデータを送って検証される。でも結局は新車検証を取りに行かないといけない。これがなくなるということですね。

車検の諸費用の中に登録代行料という項目があると思います。これは何か?ユーザー車検をすれば必要のない費用です。

この代行料は、本人に変わって陸事まで行って書類を提出して新車検証を発行してもらう手続きのこと。これが1万円前後で法定費用の中に組み込まれて、車検諸費用とされています。

本当のことを言えば、車検を工場に依頼しても検査を証明した保安基準適合証だけを受け取ることが可能なんです。本来そうであるべき法律になっています。

この保安基準適合証と必要な書類を使用者が陸事に持っていくことで、新しい車検証をもらえるわけ。ただこの手続きが面倒だから、業者に一括してお願いしている。本来なら本人がやっていいんですよ。

その代わり代行料を返せ!と主張することは間違っていません。

車検証を電子化するメリットとは?

ここからは車検証を電子化するメリットを書いてみます。

まずは紛失の心配がなくなる。1日車検で車検を受けると、よほど程度のいい車でない限りは車検証は後日発行となります。郵送する場合や、取りに来てもらう場合。あとは営業が届ける場合など。

車がない状態で、ポスティングされると不思議なことになくなることが多い。ユーザー側としては車検証がどれくらい重要なものかを理解できていない人が多いということ。

車検証と自賠責保険というのは必ず運行する車に備え付けておかなければならない決まりになっています。

車検証がなくなると、次回車検を受けるときには再発行からスタートしないといけません。車検証の再発行をするには、委任状やOCRにハンコを押してもらう必要がある。

面倒なのが法人の場合。担当者にハンコをもらうのが結構手間です。たらいまわしにされてようやくハンコをもらって・・。

郵送するとなくなる可能性があるから怖い。この車検証紛失問題がなくなる。

電子化された後にそのカードをなくす人もいるかもしれないけど。

続いてのメリットは、整備データなどが全て電子化されるので、車両の情報が各種方面に利用されやすい。簡単に言うと警察がMOTASのデータベースにアクセスしてその車が車検切れなのかどうかをすぐに照合できる。

これは・・・メ、メリットですよね・・・(笑)

車検が切れているということは、無保険の可能性が高い。もし事故を起こされたら被害者側の賠償が全くできない可能性がある。

それを事前に阻止できる。

続いて、リコール対象車などの情報をすぐに調べることができます。実際にリコールがあってもリコール修理をしない人が結構います。

事故をしたときなどに、ナンバーからすぐに車両情報を照合することもできます。当然整備履歴なども照合できるようになる。

こういった情報をいろんなところで共有できるということ。当然セキュリティ対策も万全でないと実用化されないでしょう。

これから、検討会を重ねて実用化されていくんでしょうけど現時点で車検証に変わるデータを保管する媒体についても検討されているみたいです。

前述したICチップ内臓カードを発行するのか、それとも車両側に埋め込むのか?

ICチップ内臓カードになると、車にはきちんとした保管場所を備え付けて欲しいですね。じゃないとなくす人が出るはず。再発行代は今までの車検証よりも高くなるのは間違いないです。

いろいろと書いてきましたがまとめてみます。

車検証を電子化するとどうなるか?

・車検時の代行料がなくなる?もしくは安くなる

・陸事に行く必要がなくなり、手続きが簡素化される

・無車検車をすぐに確認することができる

・事故を起こしたときに車両の照合が容易になる

・リコール情報などをユーザーに知らせやすい

・自動運転への布石となる

今登録事務を業務として働いている人の仕事を奪いかねないところもありますね。それは仕方がない部分もありますけどね。

車検証を電子化するということは、ユーザー側にとっては車検代金が安くなる可能性が出ること、リコール情報などを受け取りやすいことなどを考えるとメリットがあると思います。

トヨタのコネクテッドカーとは全く違いますが、さらに未来になればコネクテッドかーとMOTASが融合していくんじゃないかな?

そうなれば自動車は本当に大きな変革期にさしかかってくるだろうなぁ。

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