今回はちょっとお恥ずかしいお話を。でもちょっと自分的にもなるほどなぁと思ったので
紹介したいと思います。
わが社で車検で預かったEKワゴン。車検後にしばらくして平地では問題ないけれど、山道でぜんぜん力がなくて上らなくなったというクレームが入りました。
その車自体には僕は受け入れも何もしてないでノータッチだったので、何を車検のときにやっていたのか把握ができていなかった。ちょうど僕が手が開いていたので先輩と車をとりに行くことにした。
バッテリーがあがっていて、ブースターでエンジンをかけてきたんですが、その道中はまったく普通に乗ってくることが出来た。エンジンが不調という話だったけれど、そんなそぶりは無かった。
会社に戻って前回の車検を確認したら、結構大掛かりな修理をしていた。例の3G83エンジンの泣き所であるオイルポンプやクランクのオイルシールなどを交換。
タイミングベルトにクランク角センサーまで交換されていた。
車検後に調子が悪いとオーナーが訴える場合、車検整備のミスが疑われる。もしかして・・・
違う先輩が疑って、車検整備をした場所を確認した・・
そうなのである。タイミングベルトのかけ間違いだった。カムがクランクに対して一コマ遅れた状態でかけられていた。おいおいおいだった。
誰だこれ整備したの・・。検査したのも誰だよ・・・。
それにしても驚いたことがある。
3G83というエンジンはタイミングが一コマずれていたとしても、バルブとピストンは干渉しない。
普通にアイドリングするばかりか、エンジンの吹けあがりも何の問題も無いのだ。エンジンが普通に吹けあがることから僕はミッション系統のトラブルか!?と疑っていたが、まず前回やったところを確認したらタイミングベルトがずれていたのである。
完成検査の時も排ガスは大丈夫だったということになる。バルタイがずれてもさほど数値はかわらなかったということか?
納車にまでうちの工場で赴いている。それも熟練した整備士が納車に行った。それでもタイミングベルトが一コマずれていることがわからなかった。峠道など相当な負荷がかかる時じゃないと異変に気が付かないほどだったのである。
お恥ずかしい話になりますが、ちょっと意外な知識が手に入った。オーナーはわが社の元OBで、事情をお伝えして納車を差し上げた。車検後に山道を登らなくなった話でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。