笑えないクレームでした。
夏に車検をやった車両が、
「車検をやってからブレーキがおかしくなった。事故しそうになった。どうしてくれるんだ」
と、大変ご立腹なお電話を頂きました。
夏に行った車検で、確かに整備保障はついています。
急いでレッカー車で現場に。
この日は、前日から雪がちらついて
このオーナーも急いで今日の朝タイヤ交換をしたそうです。
そしてブレーキが効かなくなった理由が判明しました。
ブレーキの踏み代がまったくない。
どこかのブレーキが漏れていたのか!?
しかし中間検査にて分かるはず・・・
ちなみに車検時はブレーキ系統はほとんどいじっていない・・・
ホイールから直にブレーキドラムの中が見えています。
これは一体
当然ホイールシリンダーのピストンは飛び出て
ブレーキオイルが漏れ漏れ状態。
ことの経緯はこうでした。
昨日雪が降ったから、急いでタイヤを交換したオーナーその際、ノーマルタイヤのホイールにブレーキドラムがくっついてしまっていた。
それに気づかずにオーナーはそのままスタットレスタイヤをはめたのです。
ブレーキドラムをはめない状態で。
ちなみにこのお客さんは以前ガソリンスタンドで勤務なさっていたあるていど車には詳しい方だそうです。
オーナーの家にいって、ノーマルタイヤを見てみると
笑えないクレームでした。
耐熱性のシャーシブラックが完全に乾いていないままタイヤをつけたためにシャーシブラックがのりの役割を果たしてしまったということです。
ドラムには通常のシャーシブラックではない耐熱タイプを使っていますが、こんなこともあるんだなと思いました。ちなみに僕はドラムの側面までしかシャーシブラックは塗りませんけど。
しかし、スタンド経験者であればタイヤをつけるときに気づかないのだろうか?
車検が終わってからおかしくなったのではなくて、タイヤを交換してからおかしくなったのは事実ですが、シャーシブラックが張り付いていたということで、クレーム処理は部品代はこちらもち。
工賃は頂くということで合意。
いろいろとクレームを経験してきましたがこれは初めて。
マツダのようにブレーキドラムとハブをネジで固定するタイプであれば起こり得ない事例ですね。
と、仲間内で話し合ったのでした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。