Categories: 日記・戯言

自動車整備士の日常業務・車検整備の流れ

自動車整備士になる前って、いろいろ疑問なところが多かった。自分自身が自動車整備士になってみるとああ、そうだったのか!と納得。

整備士って具体的にどんな一日を送っているのか?

ということを本日は一日の流れでお伝えします。

朝、出勤と共に朝礼・ミーティング

朝ごはんは当然食べて出勤です!質素な朝ごはんなのは、俗に言う整備士は3Kの仕事であり薄給だからです(笑)

冗談はさておいて、朝出勤したら事務所と工場の掃除をさささっとします。掃除が終わったらミーティングと朝礼。店長からのありがたいお言葉をもらったあと、整備部門からフロントによる本日のスケジュールを伝えます。

そして、ミーティングが終わったらお客さんの整備車両の引き取りへグループに別れて出発します。車は持ち込んでくれるのが一番いいんですが、どうしてもそうはいかない人もいます。

地域ごとに別れて本日予約の整備車両を引き取りに出かけます。

受け入れ

車が集まってきたら、フロントが作業指示書を発行します。その指示書を片手に整備主任による受け入れ検査が始まります。

主に整備は

車検・点検・一般整備・板金と別れてきます。ここでは整備士が担当する車検・点検・一般整備について解説。

車検と点検はご存知かと思いますが、24ヶ月点検・12ヶ月点検のことをさします。我々指定工場は検査も自前の検査員で行います。そのための第一段階チェックですね。車検証の諸元ときちんと車があっているか?車検に適合しない部分はどこかなどを洗い出していきます。

一般整備というのは、オーダー整備と思ってください。例えばお客さんから「タイミングベルトを交換してほしい」「タイヤを交換してほしい」「異音がするから治してほしい」

といったご用命ありきの整備になります。

分解

受け入れ検査が終わったら、続いて分解に入ります。受け入れではわからないブレーキなどの部分を点検します。分解作業で車検や点検の総合的なメニューが決まります。

例えばオイル交換が必要な時期。ブレーキパッドはあと3mmくらいだから1年持たない可能性があるので、ユーザーにその旨を伝えて交換を相談する。

各整備士がお客さんに直接電話をすることもあれば、フロントに電話連絡を依頼することもあり。うちの会社はこのほとんどの連絡はフロントが行っています。

お客さんに整備のGOサインをもらったら部品を発注します。

マフラーが穴が開いていたので交換が必要。ドライブシャフトブーツが切れていたので交換が必要など。

お客さんから承諾をもらった部品を部品屋さんに注文します。

僕が不思議だったのはこの部品です。僕も昔車を自前でいじっていたりしていたんですが、そのほとんどがディーラーで部品を注文して買ってました。だいたい納期が2、3日かかったりしたんです。

車検って仮に1日10台ペースで行うと、そんなに大量の部品ってその日に到着するのか?ということ。これが8割近くは間に合うのです。部品屋さんが1日に4回位配送に来てくれます。うちの工場の場合、朝の10時。午後1時。午後3時。そして夜6時頃。

どうしてもバックオーダーがかかる純正部品などが出た場合、お客さんに納期を連絡して必要であれば代車を届けたりするのです。

整備・中間検査

部品が届いて、ある程度まで整備が進んだら中間検査を整備主任にしてもらいます。

これは、完成検査ではわからないブレーキを交換した場合など、中間で検査を入れるのです。タイヤをつけちゃうとブレーキがきちんと取り付けられているかの確認ができなくなります。

そうなる前に、中間で検査をする。中間検査が必要なのは分解整備に該当する部分になります。ブレーキやらクラッチなどですね。

完成検査

整備作業が全て終わったら、自動車検査委員による完成検査にうつります。

車検整備では、保安基準に不適合している部分がないかなどを総合的に検査します。目視、打鍵、テスターなどを使っての測定です。

検査結果を指定記録簿に記載して、それらの数値が保安基準に適合しているかを検査員が判断。

フロントなどの業務班は完成検査が近くなった車の新しい自賠責保険などの加入作業を進めます。保安基準適合証を作成するには車検期間を全てカバーする自賠責保険の加入が必要です。

検査員が車の検査が終わり、自賠責保険などを確認後保安基準適合証に証明します。いわゆる

「この車は保安基準に適合していて完成検査にパスしました!」

という証明です。検査員が証明した保安基準適合証を今度は事業上管理責任者がチェックして、事業場のハンコを押します。

これで車としては完成検査にパスしたのでお客さんに渡そうと思えば渡せる状態です。

納車整備・書類作成

お客さんの車を納車・もしくは来店するまでに洗車などの納車整備を行います。洗車などをしている間、フロントなどの業務班は陸運局に代行で持ち込む書類を作成。新しい車検証の交付手続きをするのです。

そして、整備にかかった納品書と新しい車検証を添えて、お客さんにお届け。これが車検整備の一連の流れになります。

納車する車は時間の指定がある場合を除き、同じ地区でまとめて納車にでかけています。整備しているのは車検だけではないので、定期点検や一般整備で同じ地区の車が出来上がっていたら、人数を集めて一気に届けるのです。

こうしないと効率が悪い。

納車が終わり、残った整備作業をして整備士は家路につきます。

フロントなどの業務班は明日の予定を組んだり、お客さんに整備のアプローチなどをして一日の流れは終わりになります。

大まかにこんな感じで整備士は1日を過ごしています。やはりきついのは冬ですね。北国では雪が降って納車引き取りに時間がかかるし、洗車などの作業がひじょーにきつい。

整備作業もさむーい工場の中でしくしくやっているので、季節は春と秋が一番いいですね。夏は暑すぎて大変です。

給料はやっぱり安い部類に入るので、新卒がなかなか入ってこず業界の平均年齢は高いまま水位しています。

誰か、次世代の整備士になりませんか?

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