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車検の検査内容とは

先日、自動車検査員研修を受けてきました。国土交通省の担当者と自動車検査独立行政法人の担当者による保安基準の改定の解説やその他いろいろな講義です。

この自動車検査員研修というのを受けると、自分が検査員になった日のことを振り返るいい機会になります。その研修の中で、自動車検査独立行政法人で使用している車検の検査についてのパンフレットがあったのでもらってきました。

本日は自動車検査独立行政法人による検査について抜粋してお伝えします。自動車検査独立行政法人は陸事にて主に検査業務に当たっている人たちです。中には国土交通省の検査員もいますが、メインとして自動車検査独立行政法人の人が検査を行っているのです。

そんなわけで、このパンフレットと僕なりの解釈を交えて車検の検査に付いてお伝えします。

車検の検査内容

1、外観確認(外まわりや運転中に操作する部分の検査)

内容

自動車の各部分の状態を検査ハンマーや目視で確認。同一性の確認

項目

車枠(シャシ)・車体、保安装置(ホーン、ミラー、ワイパーなど)、走行装置(タイヤなど)、乗車装置(シートベルトなど)、灯火器類(ウインカーやライト、ブレーキランプなど)、原動機(エンジン)、電気装置(バッテリーなど)、操縦装置(ハンドルなど)

2、下回り確認(車の下側からの検査)

内容

車の下側から各部分の状態を検査ハンマーや目視によって確認。

車の使用時の接触による変形、損傷、部品の消耗、劣化や錆、ゆるみ等がある場合、本来の機能が損なわれ安全環境面での悪影響を与える恐れがある

項目

動力伝達装置(ドライブシャフト、チェーンなど)、緩衝装置(ショックアブソーバーなど)、騒音・排出ガス(触媒、マフラーなど)

以下検査テスターによる検査

3、排ガステスタ

内容

排出ガス中の一酸化炭素、炭化水素、温度及び黒煙の汚染度が基準値以下かを排出ガステスタを用いて検査します。

大気汚染を防止する観点から、排出量を一定以下に抑えるように規制されています。

項目

ガソリン車、ディーゼル車、二輪車。それぞれ排出ガスの基準値は省略します

4、ヘッドライトテスタ

内容

左右のヘッドライトについて、それぞれ明るさ、向きが基準に満たしているかを測定します。

自動車のヘッドライトの明るさや向きが適正でないと、夜間に歩行者を見落としたり、対向車のヘッドライトにより運転者がまぶしく感じて前方不注意になる等の悪影響を及ぼします。

項目

走行用前照灯、すれ違い用前照灯。(平成10年9月1日以降に制作された車は、すれ違い用前照灯(ロービーム)にて検査をするのが好ましいと私たち一般の検査員には推奨されていますが、陸事では走行用前照灯(ハイビーム)にて検査を行います)2灯式、4灯式とあります。基準値は省略

5、サイドスリップテスタ

内容

走行時の直進安定性(横滑り量)をサイドスリップテスタで計測します。

横滑り量が不適切な場合、平坦路面での車両の直進性が損なわれ、走行に危険が生じる可能性がでてきます。

検査基準

走行距離1mについて、横滑り量が5mm以下

6、ブレーキテスタ

ブレーキの制動力、ブレーキの制動力の左右差、ブレーキの引きずりの有無等をブレーキテスタを用いて検査します。

ブレーキの性能が十分でない場合、安全に手市や出来ない可能性があります。

ブレーキの引きずりがある場合、ブレーキ性能に悪影響を及ぼすだけでなく車両火災を起こす可能性があります。

検査基準

制動力の総和・・・検査時車両状態の重量の50パーセント以上。雨天時は40パーセント以上

後車輪の制動力の和・・・検査時車両状態の後軸重の10パーセント以上

制動力の左右差・・・検査時車両状態の軸重の8パーセント以下

駐車ブレーキ・・・検査時車両状態の重量の20パーセント以上

7、スピードメーターテスタ

内容

スピードメーターの表示の誤差をテスタを使って検査します。

走行中、スピードメーターが正確な表示をしないと、法定速度を守ることが困難になります。

検査基準

二輪自動車以外の基準

時速40km/hの実速度が、31、0km/h以上、42、5km/h以下

平成18年12月31日以前の製作車は31、0km/h以上、44、4km/h以下

二輪車の基準

時速40km/hの実速度が、29、1km/h以上、42、5km/h以下

平成18年12月31日以前の製作車は29、1km/h以上、44、4km/h以下

※警音器のテストは1、の項目の時の保安装置部分でテストしていると認識します。


と、長々と紹介しましたがこれが車検の検査内容になります。まあ、実際に完成検査に携わってみると、それ以外の葛藤というものがすごくありますけどね。検査の時だけ数値が出てればいいのかという葛藤です。

例えばブレーキパッドが残り1mmでも車検には適合してしまう。ですが、企業体として組織の一員として働いていると、そこは交換を促さないといけない。実際にはユーザーと何度も何度も連絡を密にして検査をしている状況です。

ご参考までに。

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