車の保証には一般保証と特別保証の2つが存在します。一般保証というのは3年または6万キロまで。内容は電動ドアミラーやパワーウインドウ、エアコンなどの保証。
特別保証は5年または10万キロで、主にエンジン本体やミッション本体などになります。
先日修理したワゴンRですが、新車登録から2年弱。初回車検を迎える前で走行距離が10000km程度でエンジンが不調になっていました。
(写真は同型のワゴンR)
エンジン不調の原因を探っていくと、明らかに失火している様子。保証云々の前に、どの場所のどの部品が不良なのか診断を勧めました。
エンジンチェックランプが点灯していたので、ダイアグのコードを読み取ると
P0302 NO.2シリンダー系統と表示。明らかに失火です。
ダイレクトイグニッションを1番と2番シリンダー入れ替えて、失火症状がどうなるか観察したところ、エンジンは不調のまま。
現在故障としてデータが取れるので、一度ダイアグノーシスをクリアしました。
そして数トリップ程度エンジンをかけたり停止したりすると、故障コードが再度入力されてきました。
P0302 NO.2シリンダー系統
同じコードが入ってきたので、入れ替えたイグニッションコイルが不良ではないという事になります。この時点で2番シリンダーに装着されているプラグを外して点検。
走行距離が1万キロ程度なので、電極の摩耗具合は見た目ではわかりません。
1番と2番のプラグを入れ替えて、OBDでモニタしていると1番シリンダに失火の症状が移りました。この時点で2番シリンダーに装着されていたスパークプラグが不良だと断定ができます。
問題は初年度から2年経過したばかりの走行距離1万キロ弱。間違いなく保証になるんじゃないかとディーラーに問い合わせたら、プラグは消耗部品扱いなので保証外との返答。
装着されていたプラグはこちら。SILKR7M11S。
従来タイプのプラグだとスズキ車の軽乗用は4万キロごとの交換になっていました。昔のKR7AIという片側白金タイプは2万キロ交換。R06Aのこのプラグは走行6万キロ交換とされています。
メンテナンスノートを読むと例えば6万キロで交換指定されている部品なら、6万キロまでは保証を付けるべきではないかなと思ってしまいます。
それが、運転者の過失は全くない状態ですしね。
仮にプラグを脱着する時に、どこかに落としてしまった等、明らかに使用する過程で過失が発生していれば納得できますけど。
プラグは6万キロで交換指定です。しかし、1万キロで故障したとしても保証はしません。
これではなんだか納得いかないですよね。
今回ユーザー様にはこれらディーラーとのやり取りをお伝えして、残念ながら保証にならない旨を伝えてプラグを交換させていただきました。
ダイレクトイグニッションコイルであれば保証になったけど、プラグの場合消耗部品だということで保証にはならない。
ちょっと矛盾してないかな?これって思ってしまいます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。