スズキ車で頻繁に故障をするのがドアミラーです。
ドアミラーを開閉しようとしたら、ガガガガガガと音だけ鳴り響くトラブル。
実はこのトラブル、スズキ車じゃなくても起こりえるんですけど、とある年代のスズキ車は良く壊れます。
見かねて、メーカーが保証延長を発表したほどです。
しかし、保証延長の期間が過ぎたらやはり実費で修理が必要になる。
台数を看過できなくなったのか、メーカーで内部交換部品を設定するようになりました。
具体的にどこがどのように壊れるのか?
この車は、保証延長の対象外となっていました。
対象外ということは、考えうるにそう簡単に壊れる部品ではなくて、すでに対策済みである。ということなんでしょうか?
しかし症状は他のスズキ車と同じで、ミラーの格納ボタンを押しても音が鳴るだけで動きません。
原因はわかっているが分解して検証してみます。
ドアミラーは脱着にはそんなに時間はかかりません。
カバーやらミラーやら外していきます。ちなみにオーナーは新品ミラーへの交換を希望しているため、これはただの検証材料になっています。
バラバラにしていかないと、原因部へたどりつけません。
ここまで分解するといよいよ確信内部へ。
ここがドアミラーを開閉するギヤの部分です。
ミニ四駆のモーターのようなものがついてますね?電気であのモーターを動かして、ドアミラーを開閉させています。
ではどこに不具合が出てしまうのか?
モーターのウォームギヤは金属製。見たところ問題はなさそうです。
ドアミラーの軸を動かすギヤも金属製。こちらも目視でギヤ飛びなどはない。
問題はやっぱりここでした。
ミニ四駆のようなモーターから動力を根元のギヤへ伝えている部分です。
しかし、ぱっと見個々のギヤもギヤ飛びは一見ないように見えます。
問題はここです。
割れています。
フローを書くとこうなります。
ドアミラーの格納スイッチ押す→ドアミラーのモーターに電源が入り動く→モーターからミラーの根元をつなぐギヤのシャフトが空回りするだけで、動力が伝わらない。
つまり、ドアミラーを開閉しようとしたらガガガ音が鳴るスズキ車は、たった一つのこのプラスチックのギヤを換えるだけで直るんです。
ここの強度が不足しているのですね。
自分で直せば部品代は1000円くらいで買えちゃうんです。
お店に頼むと、ドアミラー脱着からのOHになるので、工賃が高くなります。
ドアミラーを新品に交換すると
ドアミラーASSY・・・31500円
工賃0.3時間 (2000円~3000円)
ギヤだけ変えるとなれば部品代が1000円弱で、工賃は1時間計上されても1万円以内におさまります。
DIYが得意な人なら自分でもできると思います。問題は保証延長がでていない個体でも、同じ場所が壊れるという事。
保証延長の範囲を拡大すべきですよね。同じところが壊れてるんだから。金属製なら3000円位で買えますね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。