結構ヤバい異音をしながら入庫してきました。
車はスズキのパレットです。
アイドリングではノイズがまじったような音が発生。
どこかのベアリングが駄目になっているようなそんな異音です。ただ、サウンドスコープで各補機類を当てて聞いていくと、どうも違うような感じです。
ジャッキアップして一番音が出ている箇所を特定したらミッションからでした。
このパレットには昔少ない台数ですけど、CVTにリコールが出ていました。
リダクションギヤの不備でCVTを載せ替えるという大掛かりなものです。
無段変速機(CVT)のリダクションギヤの製造工程が不適切なため、当該ギヤのオイル通路に切削バリが残存しているものがあります。そのため、そのまま使用を続けると、当該バリが変速制御バルブに噛み込み、油圧制御異常の警告灯が点灯して加速不良、またはRレンジからNレンジにシフトした直後に後退するおそれがあります。
スズキHPより引用
ただ症状を確認すると、RレンジからNレンジにシフトした直後に後退するというものではなく、リコールとの因果関係はなさそうです。
ミッション自体の問題かもしれません。
しかし、整備書を読んでみるとパレットに搭載されているCVTって、基本的にフルードは無交換を推奨しています。
走行距離は66000km程。これってどうなのよって。確かに年式は10年近く経過していますけど、もしかしたらCVTフルードを何回か交換していれば、異音が出ていなかったかもしれません。
リビルトミッションが20万近い!
ちなみに調べてみましたが、リビルトミッションは20万近い価格でした。
仕入れ値でも18万位か。そして載せ替えが整備指数で4WDの場合7.2時間と設定されています。
工賃で5万円を超えてくるフルードやショートパーツ、消費税を入れると30万円近い金額になってしまいそう。
もし、スズキがCVTフルードの交換を4万キロ位で設定していたらどうだったか?
この車両は中古で購入されていて、それまでの整備歴は不明ですが、CVTフルードに関しては交換されていないようです。
無交換をうたっているのであれば、6万キロ弱で壊れてほしくないですよね。しかもリビルトが高い。ホンダのNシリーズは保証延長が出ているが、スズキは出ていません。
そろそろCVTやATのフルードに関する考え方をメーカーも改めたほうがいいんじゃないかな。
結局専門の整備工場に交換依頼が殺到してい居るところを見ると、ユーザーさんの多くは交換したいと思っています。
そして交換することで間違いなく寿命は延びるんですから。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。