これで何回目のステアリングラックの交換をしただろうか。ボクは整備士になってから、
10回くらいだろうか?ステアリングラックの交換をしてきたことがある。
今回はトヨタのLH178のハイエース。なかなかやりにくかった。マツダのボンゴもやりにくかった印象が残っている。ステアリングラックを交換すると、嫌なのは調整である。
とにかく完璧だと思って、組みつけてもサイドスリップが狂っているか、ハンドルのセンターが狂っているかのどちらかになる。最終的にはタイロッドを調整したりしてセンターと切れ角、トーを総合的に調整する。
ステアリングラックの交換にはボクはちょっとしたことを行う。まずはハンドルを中立の位置にして動かないようにガムテープで巻いて固定しておく。
そして古いラックを取り外し、タイロッドの長さを計測。タイロッドエンドを付け替える際には
ラックブーツからの距離をきちんと測っておく。こうしておくと、大体トーは基準値の中に入ってくる。
ハイエースも最初に組み付けた際にはアウト0,5mmになっていた。
どうしてもキャブオーバーなどの車はステアリングシャフトにいろいろとジョイントが付いているからセンターの位置が出ないことが多い。特にハイエースはステアリングラックを取り付けると同時にジョイントとラックを合体させないと、ラックをつけてからではジョイントとラックを組み付けるだけのクリアランスがないので余計に狂ってしまう。
パワステオイルを入れて入念なエア抜きをする。各部を確認したらサイドスリップテスターで計測して試乗に行く。案の定ステアリングが2コマ狂っていた。トーが大幅に狂って入れば、タイロッドを調整してハンドルのセンターをある程度合わせるが、あまり狂っていなかった。ハンドルの切れ角などを確認して、ステアリングセンターを出してやる。
左右の切れ角を均等にしてやることが大切だ。
問題はエアバックのスパイラルケーブルが付いている車が殆どなので、切れ角に大きな狂いがでてしまうとケーブルを破損させかねないということである。
ステアリングラックの交換はなかなかに大変なものである
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。