雪の日にエンジンをかけっぱなしにして仮眠をとると危険である。これは一般常識としても知られていることです。
理由は何故か?マフラーから出るはずの排気ガスが室内側へ逆流してしまう。これが室内へ一酸化炭素中毒を引き起こす原因になるためです。
そこで、今日はこのような実験をしてみました。
マフラーを雪で疑似的にふさいでみたら、エンジンはどうなるのか?
早速その実験結果を見てみましょう。
電気自動車にはついていませんが、エンジン車にはガソリンだろうがディーゼルだろうがマフラーが付いています。
マフラーの役割は2つ。排気音を低減すること。そして、排気ガスを社外の安全な方向へ排出することです。排気ガスを浄化するのは触媒の役割です。
マフラーが詰まってしまうとどうなるか知っていますか?先に結果を書いておくとエンジンが止まる、もしくはかからなくなります。これは僕自身体験済みです。
昔エンジンがかからないと出張に行った時の事でした。バッテリーはあるのにエンジンがかかった瞬間に止まってしまう。プラグを外すと燃料でかぶっていました。
プラグを乾かしてもう一度セルを回すと一瞬かかってまた止まる。そしてプラグを外すとまたかぶっている。
原因は何だったのかというと、マフラーが凍り付いて排気が出来なかったからです。
4サイクルエンジンは吸入、圧縮、燃焼、排気を1つのサイクルとしています。排気がうまくできないと、吸入ができなくなります。これがエンジンがすぐに止まってしまう理由。
2サイクルエンジンでもありますね。マフラーにカーボンが溜まりすぎて詰まってしまうと、吹けくなる。直すにはマフラーを外して火であぶる。
カーボンが全て燃え切ってしまうと、マフラーが抜けるようになるので直るということ。
このようにマフラーって詰まるとエンジンが止まってしまうことがわかります。
そこで、自分が乗ってる車のマフラーに雪を詰め込んで実験してみました。
入り口が狭いという事、テールパイプが下を向いているという事でなかなか詰めづらかったですが、できる限り雪を詰め込んでみました。
思い切り塞いで、さらに・・・
テールを雪ダルマにしてエンジンスタート。
普通にエンジンはかかりました。推測するにエンジンからマフラーまでの距離があるためだと思われます。
エンジンが停止する時って、エンジン内部のバルブ付近まで排気ガスが逆流してしまう時。その場合は吸気と排気が干渉することで、エンジンが停止してしまいます。
おもむろにアクセルペダルを踏み込んでみるとどうなるか?
分かり切ったことですが、雪を一気に吹っ飛ばしました。
これは思い切り吸気することで、排気圧力があがり勢いよく詰まった雪を吹き飛ばしたということです。
昔マフラーの中に水を入れて遊んでいる人がいましたが、あれと同じ原理ですね。
しかしこれって吸気<排気という力関係が成立したからです。
雪が積もって排気が逃げる場所を失うと、吸気>排気となり、エンジンが停止します。
エンジンが停止する直前が危なくて、室内に一酸化炭素が逆流してきます。これが理由で雪の時はエンジンをかけたまま仮眠などを取らないようにと言われています。
大雪の時、マフラーまで雪が積もった時は注意してください。今年は大寒波で大雪がゲリラ的に全国で発生していますから。
万が一の時の為に、車の中にも防災グッズを入れておく事をお勧めします。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。