わが社で唯一のスマートKのお客さんから電話が掛かってきました。
「エンジンがかからない。今乗ってきたばかりなのに全く駄目だ。」
という。
ひっかかるのは今どこかへ乗ってきたということ。
そして車庫に入れる前にエンジンを一度止めたらしい。そのあと再始動ができないという。
これはちょっと厄介な感じがするなと思っていってきました
スマートK
現場について点検をしてみました。
というか車が特殊なだけにまずは操作方法を自分で学ぶところからスタート。
電源は確かに入るみたい
鍵はシフトの場所にあります。鍵を回してみるとセルモーターは全く動かない。
リレーの
「カチッ」
という電源が入るような音はしている。
次に調べたいのはバッテリーです。
バッテリーはどこにあるのか調べてみたら、助手席の足元でした。
助手席のカーペットをめくると、車載工具が入ってる発泡スチロールのケースがでてきます。
その下にバッテリーが隠されている。
バッテリーにブースターケーブルでジャンピングしてみる。するとエンジンがかかりました。
これで原因はバッテリーが濃厚だということになりました。
ためしに、ブースターケーブルを外してもう一度鍵を回してみる。
するとセルモーターがうんともすんともいわない。これでバッテリーだろう!と断定をしようとしました。
そのあと気になってもう一度ブースターをつないで鍵を回してみた。するとやっぱりセルモーターは回らなかった。
お客さんの前で全て行っている動作なので、お客さんはバッテリーじゃないなと言ってきた。
でも直感的にこれはバッテリーで間違いないと僕は思った。
だけど何かが制御されている。
ふとシフトに目をやったら、紙が。読んでみると
イモビライザー搭載車。さらに説明書を読んでみると、インパネに鍵のマークがついているときはイモビがきいてしまっている。
つまりその状態ではバッテリーがあってもセルが回らないということになります。
じゃあどうやってイモビを解除するかというと、ドアロックを操作してあげる。車のドアを全て閉めて、ドアロックを施錠、解除という動作をするとイモビがまた認識します。
イモビを初期化してまたブースターをつないでセルを回すとエンジンがかかった。
ではなんでさっきはブースターをつなぎかえてもエンジンがかからなくなってしまったのだろうか?
その原因は仮説だけど
バッテリーがない状態でセルモーターを回そうとキーをONにする。でもエンジンはかからない。
そのままバッテリー切れになり、イモビ自体の登録を失ってしまう
これに近いことが起こっているのでしょう。もしスマートでバッテリーが上がってしまったら、ブースターをつないで一度キーレスでドアを施錠、解除してイモビを登録してからキーを回さないとイモビライザーが働いてバッテリがあったとしてもセルモーターを回さない制御になっているということでした。
尚、キーレスの電池はCR1225というサイズでなんだか特殊なボタン電池らしいです。
注文しないとその辺には売っていないらしい。
今はネットでお手軽に手に入りますけどね;
以上スマートのエンジンがかからないという故障でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。