最近興味深い新型車が出ると、取り扱い説明書をじっくりと読むようにしています。早いメーカーだと車が販売される前から閲覧することができるのです。
興味津々だったマツダ3のスカイアクティブX搭載モデル。とうとう販売開始されました。取り扱い説明書にはどんなことが書いてあるのか?
気が付いた点をお伝えします。
これは事前に知っていたことですが、スカイアクティブXには通常のガソリン車にはついていないものがついています。それがパティキュレートフィルターです。聞いたことありますか?
ディーゼルで言い直すとディーゼルパティキュレートフィルター。通称DPFです。
クリーンディーゼルエンジンに搭載されるようになった触媒のようなものです。スカイアクティブXの場合はGPFとでもいうのかな?
構造上ディーゼルエンジンに近い燃焼をするスカイアクティブXだけに、PFが搭載されています。これ、長い距離を走ったりしてくると詰まったりします。DPFのトラブルとして、警告灯が点灯して自動再生をします。その間はすごい煙をモクモク出したり。
自動再生を無視して走り続けたりすると、DPFのランプが点滅してエンジンチェックランプも一緒に点灯するというケースになります。
こういった使い方を繰り返すと、DPF本体が壊れてしまいます。ちなみに某トラックメーカーのDPFは25万円くらいしました。部品代だけです。
スカイアクティブXでチョイノリを繰り返すとおそらく煤が堆積します。これがGPFにどのような弊害を生むのかは今のところ未知数です。
説明書にはこのように記載されています。
ガソリンパティキュレートフィルターとは
ガソリンパティキュレートフィルターはガソリンエンジンの排気ガスに含まれるPMのほとんどを捕集し、除去するものです。通常走行中はガソリンパティキュレートフィルターで捕集されたPMは自動で除去されますが、次のようなときはPMが自動で除去されません。
・5分以下の短時間走行の繰り返しやエンジンが暖機できないような走行を繰り返した時
マツダ3 取り扱い説明書より引用
つまりスカイアクティブXは、スカイアクティブDと同様にチョイノリといった使い方をされるのがよくないということです。
たまには高速道路を全開で走るといった使い方をしていかないと、PF系統のトラブルがでる可能性があります。
今ではいろんなメーカーがオイル交換をしたらリセットをしないといけなくなりました。スカイアクティブXも同様です。
といってもさほど難しくなく、マツダコネクトの車両ステータスモニターでオイルを交換したらリセットするだけです。初代のスカイアクティブDに比べると楽チンです。
整備士の人は覚えておいてください。
オイルを交換してもらったのに、オイルの表示がでるよーという苦情が来る可能性があります。
スカイアクティブXのエンジンオイルはどうなのか?
今一番進んでいるオイルって0W-8という超低粘度タイプのものが新車充填されてる車種があります。日産のデイズや2月に発売になるトヨタの新型車ヤリスなど。
スカイアクティブXはどうなのかというと
指定粘度はSAEの0W-20、5W-30となっています。純正オイルは
・純正モーターオイルゴールデンECO7
・純正モーターオイルゴールデンECO SN
・純正モーターオイルゴールデンターボ
この3種類が純正指定されている銘柄です。
交換時期はというと、標準が15000kmまたは1年ごと。シビアコンディションは7500kmまたは6か月ごととなっています。
この辺は通常のエンジンと変わりません。量はどうか?
エンジンオイル交換のみだと4.4リットル。フィルター同時交換で4.6リットルです。
スカイアクティブGの2リットルがそれぞれ4リットル、フィルター同時交換で4.2リットルなので、若干多めの量が充填されています。
ちなみに使われている点火プラグはILZKAR8N6Sです。ネットで検索してもマツダ3の若干の情報しか出てこないので専用設計だと思われます。
説明書にかいてありますが、高圧縮比エンジンのため、ピストンとプラグが近接しているとのこと。純正以外のプラグを使うとエンジンが破損するおそれがあると記載されています。
おそらく圧縮が高いため、突き出しタイプのプラグでも装着しようものならピストンと干渉するということでしょう。
今後社外プラグが出てくる可能性はあります。ちなみに純正のメーカーはNGK製です。
と、気が付いた点を挙げてみました。
スカイアクティブXがたくさん販売されて、今後どのような初期トラブルが出てくるのかも興味があります。このエンジン、まだまだ初期段階です。まだ進化の途中なんです。完全に制御ができるようになれば、相当のポテンシャルを秘めているので。
価格がもっと下がってくれればいいんですけど。スカイアクティブX、目が離せないエンジンです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。