新車を買ったとき、オイル交換ってどのタイミングで行えばいいんだろう?新車には新車1ヶ月点検という点検があります。買ってから1ヶ月または1000km走行を超えた時点で、無料で受けることができる点検です。
新車1ヶ月点検は基本点検料は無料になりますが、交換部品が発生した場合は別途費用がかかります。販売店によっては新車1ヶ月点検時にオイル交換を無料で行ってくれるお店もあると思いますが、基本的にはオイル交換は有料です。
有料でオイル交換をするといっても、新車1ヶ月点検時にするべきなのか?新車のオイル交換はどのタイミングで行うべきなのかを考えてみます。
今までは新車を買ったら1000kmくらい走ったタイミングでオイル交換をするべきだ。と巷でいわれてきました。その理由は何故か?
新車の慣らし運転という言葉を聞いたことがありますか?慣らし運転とは、新車を買ったときに最初からエンジン回転数を全開にしないで、徐々にエンジン回転数を上げていき各部をなじませることを言います。
これはエンジンだけではなく、ミッションやサスペンションなども同様です。決まった走行距離まではこのエンジン回転数と速度は何キロくらいまでと、制限を決めて少しずつ性能を開放していく。
慣らし運転をすることでどんなメリットがあるか?これは各部のなじみがよくなり寿命が延びるといったメリットが挙げられます。
実際に今販売されている日産のGT-Rは日本が誇る高性能スポーツカーですが、取り扱い説明書を読むと明確に慣らし運転を実施してほしいと記載されています。
新車の慣らし運転とオイル交換。実は密接な関係があるんです。
新車1ヶ月点検時に慣らし運転がある程度終了している。そして、各部がなじんだ後にオイルにはそれなりの鉄粉が混じってくる。それを一旦除去しましょう。ということで新車1ヶ月点検時、目安として1000km走行時に初めてのオイル交換を推奨されてきました。
これだけを読み解くと合点がいきますね。
しかし今の車は機械精度が昔の車に比べて飛躍的に上がっています。エンジンの部品を製造する過程で鉄粉やバリなどがほとんどなくなった。
これにより、徐々に慣らし運転という考え方も消えつつあります。エンジンの機械精度もあがり、慣らし運転の必要性もなくなった。1000km走行時にオイルには鉄粉の混入がほとんどないということ。
昔の車ってオイルフィルターが今に比べて大きいんです。極端な話2倍くらいの大きさだったメーカーもあります。それがディーゼルであっても今はフィルターが小型化されています。
これはエンジンの性能が上がって、不純物や鉄粉の発生がほとんどなくなってきたためと考えられます。
それではここからが本題です。機械精度も抜群に上がった、慣らし運転も必要なくなってきた。では初めてのオイル交換はどのタイミングで行うべきか?
まず参考にするのは取り扱い説明書に記載されているオイル交換の時期。
通常の乗用車であれば
1年または15000km。シビアコンディションで6ヶ月または7500kmと設定しているメーカーが多いです。ターボ車はさらに短く設定されていて、軽自動車のターボエンジンが6ヶ月または5000km。シビアコンディションでは3か月または2500kmとなっています。
これら説明書に記載されている距離や時期を守っていれば、壊れることはないでしょう。
しかし、せっかくの新車です。5000kmも走ってくればさすがにオイルも変色してくるのがよくわかります。
もし、車に対してそれほど愛着などはなく「道具」として割り切っているのであれば、初めてのオイル交換は説明書に記載されているシビアコンディションのタイミングでいいかなと。
いや、自分はせっかくの新車だから長く大切に使いたい!という人は6ヶ月または3000km~5000kmの間で交換をすることをお勧めします。(それより短い軽のターボシビアコンディションを除く)
新車の初めてのオイル交換、これって結果をぶっちゃけてしまうと自己満足の世界です。メーカー指定のオイル交換を守ってれば、走行距離10万キロを超えようが性能は担保されています。(当然量だけはチェックすること)
車が大好きだ!という人は自分で交換したい!と思ったタイミングで交換するのが一番なんです。もし僕がお気に入りの新車を買ったら、やっぱり1ヶ月1000kmのタイミングでオイルとフィルターを同時交換するでしょう。
注意すべき点は新車に充填されているオイルです。
今の車って純正オイルもかなり高性能化されてきています。純正オイルなのに化学合成油が充填されていて、粘度も0W-8なんていう車もあります。
もし、早いタイミングでオイル交換を実施しようと思っている場合、できれば純正オイルの性能と同等かそれ以上のものをチョイスしたいところ。
1000km程度で純正オイルはへこたれないのに、それよりも劣る鉱物油でグレードの低いオイルを入れてしまったら、エンジン的に言うと踏んだり蹴ったりです。
純正オイルは常に進化を続けているので、新車初めてのオイル交換をするときは、きちんとしたオイルを使わないと本末転倒です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。