エンジンをかけた時、ガラガラガラガラっていう大きめな音がする。
しばらくすると音が消える。これって大丈夫?
こういう相談をたまに受けることがあります。ガラガラ音にも微妙に種類があるので、一概には言えません。
エンジン別で考えると、ガラガラ音がよく出るのがスズキのK6AとダイハツのKF。この2機に関して言うと他のメーカーよりも多くの個体でガラガラ音がでます。
エンジン始動直後のガラガラ音は、油圧が上がるまでの間各部が適正なクリアランスに保たれていないから。
ラッシュアジャスターやタイミングチェーンなど。油圧が上がってくるまでは、正常なクリアランスじゃない為ガラガラ音が出る。
クランキングして少しエンジンがかかってれば音が消える。これはさほど異常でもありません。新車の頃に比べると、そのガラガラ時間が長くなってきた・・・。というのも頷けます。
なぜならラッシュアジャスタなどはやはり長く使ってくるとへたってきます。バルブクリアランスを0にするように油圧で制御していますが、抜けてくるとクリアランスが広がってしまう。
以前経験があったのはスズキのF6Aのツインカムターボ。普通のエンジンとちょっと違う構造で、カムシャフトを外す為にはカムホルダーASSYを外さないといけない。
普通のエンジンだと、ヘッドカバーを開けてタイミングチェーンやベルトを外せば、カムシャフトはカムキャップで固定されているだけ。
だけどこのF6Aのツインカムは違う。
カムがケースに入ってる構造です。
ここのカムケースのパッキンを交換しようとしたんです。パッキンを交換し終わった後、明らかにエンジンが不調。ええ?タイミングベルト掛け間違えた?というくらいアイドリングが不安定に・・・。
次第に油圧が上がってきて、正常に戻りましたが、ラッシュアジャスターにエアが噛み込んだのかエンジンがものすごく不調でした。油圧の力恐るべし。
一番まずいのは、エンジン始動直後にガラガラ音がするだけではなくて、常にガラガラ入ってる場合。これはエンジン内部が明らかにおかしいです。
中古車を買う時など、エンジンの音には気を使って聞いてみてください。
入れているオイルでも随分と変わります。粘度の高いオイルより低粘度のオイルを入れたほうが始動時のガラガラ音はすぐに消えました。
これはオイルが柔らかくてすぐに行き渡ったということかもしれません。もし、ガラガラ音が気になるのであれば、ちょっとエンジンオイルの銘柄などにも気を使ってみるのもいいかもしれません。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
オイルって大事ですね!僕は自分のクルマに 5W-30のオイルをいれてたいのですが、なんとなく音が大きくなったようなので、取説を読んでみたら・、指定のオイルの粘度は10W-40でした。すぐに10W-40に入れなおしたら音はすっかり静かになりました。ディーラーにきいたら、前期はラッシュアジャスターの穴が小さくてオイルがあまり早く回らないとのことでした。改良型はラッシュアジャスターの穴がおおきくなってオイルがすぐにいきわたるようになったそうです、改良型にしたいのでが、かなり工賃たかそうなのと、ラッシュアジャスター自体が高そうです・。
ラッシュアジャスターの交換は部品もさることながら、工賃も相当かかりますね。部品もバルブの数だけあったりするので、高額修理です。