整備あるあるトラブル事例ご紹介

今日はちょっと趣向を変えて、整備現場でのあるあるトラブル事例についてです。

ここでいうトラブルというのは、車のトラブルではなくて工場とお客さん側との間に起こったトラブルです。それでは見てみましょう。

ケース1

走行距離が80000kmで12ヶ月点検を依頼。点検の時に何もいわれなかったが納車した途端にエンジンが停止してしまった。

原因を突き止めてもらったら、タイミングベルトが切れていたとのこと。とても納得できないので整備振興会に苦情を入れた

整備振興会から発行される月刊誌に、こういう整備トラブル事例が毎月載ってきます。これはとても他人事じゃなくて、当社でも毎月数件起こっています。

ケース1の場合ですが、これはよくあるパターンです。間の悪いとしか言いようがない場合です。定期点検後にタイミングベルトが切れてしまうというケースはたまに起こり得ます。

タイミングベルトは10万キロもつ部品だと言われていますが、実際には4万キロで切れることだってあります。

整備担当した整備士は、走行距離が8万キロ。タイミングベルトの交換まではあと2万キロあるから今回はそのままにしておいた。が、納車したら運悪く切れてしまった。こういうパターンです。

その車種に詳しい整備士や工場であったら、8万キロでその車種はタイミングベルトが切れるかもしれないという危険性を事前に伝えることができたはず。

この辺りを伝えきれなかった工場側の責任・・・。チーン。と、言えないケースもあるんでうすよね。なんでこの車で、この距離で切れるんだろう?という場合もあります。

ケース2

車検の見積もり整備後に、車がオーバーヒートしている可能性があるといわれ追加整備に10万円かかった。

これもよくトラブルになるパターンです。

まず、入庫して受け入れ・分解の時点でお客さんに見積もりを告げて車検整備をしていた。が、完成検査でオーバーヒートが発覚してしまった。

一番困るのが見積もりをとった後に高額な追加整備が必要になってしまう場合。なんで受け入れや中間検査でそのトラブルを見抜けなかったのか?もしオーバーヒートが最初からわかっていたら車検を通すのをやめて廃車にした・・・・。

なぜオーバーヒートが発覚したか?車検整備の完成検査で排気ガスを計測したら基準値をかなり上回る数値が検出。原因を調べていくと、ヘッドガスケットが抜けていた。

これは事前にわからなかったか?というと、ちょっと難しいかもしれない。なぜなら受け入れ検査で排気ガスを計測する会社とそうでない会社が存在します。うちの会社は主に後者になります。

本当にガチで見積もる場合は、僕は一度検査ラインに車両を通してみます。その数値をみてから見積もりを作成するようにしていますが、実際にそこまで全ての車ができるかというと難しい。そして、そこまでやらなければいけないわけではないということ。

車検見積もりには整備工場によってもちがうかもしれませんが、必ず概算見積もりや未計上部分に関して整備が必要な箇所が発生したら、別途費用がかかります。といった文言が記載されているところがほとんどです。

実際に作業をしていかないと、わからない内部の状態など外見の状態で見積もるのは不可能な状態ですから。

こういうケースがうちの工場でもあったんです。なぜこういったことが起こりえるか?最初の説明がまずい場合が多いんです。

やはり作業をしている以上、何かしら追加が出る可能性がある。未計上部分で追加になるかもしれないということをきちんと了承してもらった上で作業をはじめるべき。

この説明をきちんとしないとトラブルを招きかねません。

ただ逆の立場にたつと、自分が同じ状況下だったらさすがにやり場のない気持ちが悶々とするでしょう。なので当工場では、追加作業が発生した場合通常工賃からレスを入れて、少しでもお客さんの感情に寄り添うように勤めています。

あげ出せばキリがないほどトラブルは発生します。お客さんが100人いれば1人とて同じ人はいません。

ある程度長くお付き合いをしていけば、その人の性格やどういった対応が一番いいのかがわかるようになってきます。

新規車両で車検整備などを受ける時は、作業を始める前に必ず見積もりを提示してそこからどの部分を作業するかをお客さんに選んでもらうようにしています。

もちろん作業過程で不備のトラブルなどが発見された場合は随時追加連絡をいれますと伝えるようにしています。

自動車整備のサービスフロントもAIになる時代がいつか来るかもしれません。ただこういう職業ってAIにするのはまずいかもしれないですよね。

明日もトラブルが発生しないように最新の注意を払って業務を遂行します。

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コメント

  1. まるぷよ より:

    先日もコメントさせていただいたのですが、整備をお願いすることは可能でしょうか?
    チョット特殊な並行輸入車なのでなかなか受け入れてもらえる先がなく困っています。
    今の一番困っているのはディーゼルエンジンのかかりにくいという点です。
    富山市からになります。
    よろしくお願いします。

  2. MHO より:

    現実での整備依頼は申し訳ございませんが、受け付けていないのでご了承ください。あくまで現実世界では組織の一員として働いている一介の整備士にすぎませんので・・

  3. 愛知の事務員 より:

    ケース1は考え方の違いだと思います。
    車検は次回までノートラブルで乗れるものではなく、規定の検査に合格するためのものです。それを防ぐなら予防整備です。走行8万キロなら自分なら交換を依頼します。8万キロでコマ飛びを経験しています。
    ケース2は今までの整備工場は受け入れ時に最低排ガス測定はするので、前者になりますね。

  4. MHO より:

    今は指定工場でもニューサービスというものがあるので、検査に通らないところだけ修理してあとは本人に話を通しておけばOKというようになっています。うまく説明をしておかないと後々トラブルになりますね。
    受け入れ時に排ガスもきちんと測定する工場なら、信頼性は高いと思います。