今日もお客さんに心苦しいご報告をしました。若干古めの車で、シートベルトの警告ランプが点灯しませんでした。
このシートベルト警告灯ですが、ある年式を境に車検時に点灯確認が取れないと検査に不合格になってしまうのです。
国産車は平成6年3月31日以前に製作されたもの、輸入車は平成7年3月31日以前に製作されたものはシートベルト警告灯がなくても車検はOKとなります。
つまり国産車であれば平成6年4月1日以降に製作された車に関しては、警告灯がちゃんと点灯しないと検査に合格できないということです。
目次
シートベルトの警告灯が点灯しない原因
シートベルトの警告灯が点灯しない原因って何なのか?
一番怪しいのはメーターの電球です。シートベルト警告ランプの電球が切れてしまってる場合。電球切れが原因なら、電球を交換すれば点灯するようになります。
メーターを外して電球交換で工賃を含めると5000円以内に収まってくるかなと。
たかが電球であっても交換するにはメーターを外さないといけないので、工賃がけっこうかかってしまいます。
続いてシートベルト警告灯が点灯しない原因はこちら。
シートベルトのキャッチ不良。
シートベルトをカチャっとはめるキャッチの中にはスイッチが内蔵されています。このスイッチが接点不良などを起こしてしまうと、非分解式なので交換するしかないということです。
これが問題です。
シートベルトキャッチだけで部品がでない車種がある
内部にスイッチが入っているシートベルトのキャッチ。
シートベルト警告灯が点灯しない原因でキャッチが不良の場合、非分解パーツなので交換しないといけません。
問題なのがキャッチだけで部品設定をしている車種。そうではなくシートベルトアッセンブリ(本体などもついてくる)でしか部品供給してくれない車種があります。
今日もシートベルト警告灯がキャッチのスイッチが原因で点灯しない車が入庫してきました。中古でのシートベルトキャッチが流通していなくて、あえなくシートベルトアッセンブリーで注文するしかありませんでした。
この価格がなんと3万円弱。他の車種だとキャッチだけで高くても5000円程度で買える・・。
シートベルト本体は問題なく使えるのに、キャッチのスイッチが壊れているだけでシートベルト全体でしか注文できないという不条理。
しかもこの手の症状が出てきているのは平成一桁台の車が多いです。25年以上前の車、車検に通すために3万円以上もするシートベルト本体を交換しないといけない・・。
オーナーとしてはとても複雑な気持ちですよね。3万円あれば他の箇所をもっと整備したい・・。
自動車メーカーに声を大にして主張したいこと
このシートベルトの件に関してもそうですが、自動車メーカーに声を大にしていいたいこと。
それはもっと細かく部品設定をしてほしいということ。シートベルトはキャッチのほうが消耗部品なのだから、当然キャッチだけで部品設定をしてほしい。
興味深いのが、とある車種のリコールがでました。それはライトのスイッチに不備があるというもの。
通常ですと、ライトスイッチはアッセンブリー供給しかしてくれません。ただリコールが発生した時に自動車メーカーがスイッチ内部の基盤だけディーラーに配布しました。本来ならスイッチをそっくり交換するしかできない部品設定なのに、メーカーの都合でリコールが出たときはスイッチを分解して中の基盤を交換しろという指示。
そりゃたしかに基盤が駄目ならそこだけ換えればいいわけです。実際、簡単に分解できます。ですが、リコールのようにメーカー側が損害を補償しないといけない修理の時だけ、細かく部品を供給してくるところが納得いきません。
費用をできるだけ抑えて不具合箇所のみを修理しようという魂胆が見え見えで嫌でした。
ユーザーの事を考えるのなら、シートベルトのキャッチは部品設定するべきです。
ちなみにこのキャッチが出ない車種のメーカーと、スイッチリコールのメーカーは同一。だから腑に落ちません。
部品点数が細かくなると管理も大変なのはわかりますが、車検の検査に直結する部位に関しては細かく設定しておくのがお客様目線だと僕は思います。
シートベルトを常にする癖をつけると寿命を延ばせる
シートベルトの警告ランプって、シートベルトを装着しない限り点灯しっぱなしになります。
白熱球を使ってるメーターバルブは、当然ランプが点灯する時間が長くなればなるほど切れやすくなる。
つまり、シートベルトをしない癖の人は常にランプがつきっぱなしになってるので、警告灯の電球の寿命が短いというわけです。
車のエンジンをかけるまえにシートベルトを装着する人は、ランプが点灯することもなく走り出せるので、メーター電球の寿命は長くなります。当然です。
車検で余計な出費をしたくなければシートベルトを装着した後に、エンジンをかけろということですね。
ちなみに現在の新車はメーターの警告灯がLEDになってるので、この限りではありません。
主に古い車に対してです。
シートベルトのキャッチはこのような理由で、高値でオークションや中古パーツで取引されています。
偶然のタイミングで中古を手に入れることができるかもしれませんが、最近はもっぱら数も減ってきたのでゲットするのは難しいと思います。
シートベルトの警告灯、寿命を延ばすためにも乗り出す前にシートベルトを装着する癖をつけて下さい。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。