Categories: スバル駆動系

サンバー TT2 エンジン始動時ギャギャギャ音 フライホイール・オーバーランニングクラッチ交換

スバル サンバー 型式TT2です。
最終型のサンバーと、そのひとつ前のサンバーですが、
個体によっては、エンジンをかけようとセルモーターを回すと

ギャギャギャっ

といった、ギヤがうまくかみ合わないトラブルが発生したりします

これはリングギヤとセルモーターのピニオンギヤの噛み込みがイマイチなのが原因で、
保証期間内ならディーラーで保証修理を受けることができます。

保証内容はフライホイールASSYとオーバーランニングクラッチの交換。
ですが年式が経ってくると、保証にならなくなってしまう。

今回初めて保証にならない車の修理をしましたのでその様子をお伝えしたいと思います。

サンバー エンジンをかけるとギャギャギャ音がする。

フライホイール交換
セルモーターのオーバーランニングクラッチ交換

作業はクラッチのOHとほとんど同じ。それにオーバーランニングクラッチの交換が加わるだけ


というわけで、ミッションを切り離します。
セルモーターも分解するのでバッテリーのマイナス端子を外しておくこと


セルモーター。後に分解します


今回、スバルから部品だけは供給してもらいました。
お客さんには工賃のみの請求になります。


ミッションを切り離してクラッチを外します。ここまではサンバーのクラッチOHを参考にしてください


フライホイールを外す


フライホイールを外した図


新品のフライホイールに交換します。リングギヤ一体型みたいですね。
焼結されているのかと思ったけど


新品を取り付けます。取り付けネジには液体ガスケットを塗布するようにマニュアルに指示されています


フライホイールを対角線上に数回にわけて規定トルクで締める

フライホイールの締め付けトルクは

34±3N・m


エンジンメンバーにタイヤレバーを当ててリングギヤに噛ませればまわりどめになります。
規定トルクで締め付け


クラッチを元に戻す。もし距離を乗っている車なら一緒にOHするのがいいと思います。

あとリヤクランクのオイルシールも交換してしまえば最高!


ミッションを元に戻す

第二部開始です。


続いてセルモーターのオーバーランニングクラッチを交換します


とりあえず分解。


粉が内部に回っているから分解して掃除するのがいいのです


頭のカバー。


やっぱりギヤの切り粉がひどい


オーバーランニングクラッチを交換するにはこのカラーとCリングを外す必要がある


とりあえず綺麗に掃除中


さあオーバーランニングクラッチを交換するぞ。12mm辺りのディープソケットをセット。


これでソケットを叩いてやると、カラーが下に落ちます。


これでCリングを外してカラーを外す


最初このからくりが分からなくて悩んでしまった


古いオーバーランニングクラッチを外す


新品を装着。どうですか?削れていますね。最終的には空回りして
エンジンがかからなくなります。早めに保証修理で直してもらいましょう


カラーを入れて、Cリングを装着したら今度はカラーを上に叩いてやる。


完成。セルモーターを元に戻します。ブラシがイラっとしますよ。組み付けるとき


あとは車に戻して終わり


削れていますね

サンバーの始動時ギャギャギャ音

フライホイールとオーバーランニングクラッチ交換でした。もう保証期間は過ぎてしまってるので実費になります。

部品、工賃を含めれば8万円オーバーです。こんなのリコールにしてくれ。ユーザーに負担してもらうなんて鬼です。

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