本日はちょっと注意喚起を。
症状は、キーを抜いてもピーピーピーと、キー抜き忘れの警告音がなってしまう。ということで入庫してきたサンバー。
普通、キーを抜いたらドアが開いていようが締まっていようが、ピーピー音はなりません。
これが、キーを抜いているにも関わらずドアを開けるとピーピー音がなる。
もちろん、ドアを締めればピーピー音は止まります。
しかし、キーを抜いているにもかかわらず、ドアが開いていると警告音がなるのは明らかに異常です。
見ての通り、鍵がずいぶんといい色をしていますね。
使い込まれたキーが減っていて、鍵穴にさしてもうまく回らなかったり抜けなかったりしています。
車のこの手のプレートキーっていうのは、すり減っていきます。何度も抜き差ししたり、回したりを繰り返すと少しずつですが削れていくんです。
すると、シリンダーにさしても回りにくくなったりする。
これを防止するには、新品の時にスペアキーを作っておく。純正のキーはマスターキーとして取っておく。
スペアがすり減って回りにくくなったら、マスターキーを元にまたスペアを作って使う。
こういう使い方をするとトラブルフリーで使えます。今の時代はスマートキーになってるので、この手のプレートキーを使ってる車は少ないですけど。
キーが渋いからとシリンダーに潤滑剤を入れてはいけない
そして話を戻して、ここからが本題です。
キーが回りにくくなったからと言って、シリンダーの中に潤滑剤などを吹きかけては駄目です。CRCのような潤滑剤もダメですし、シリコン系のスプレーも駄目です。
潤滑剤は内部に回路があった場合、ショートさせてしまい、シリコン系のスプレーはその逆に絶縁させてしまうからです。
この車も車検の時にキーの回りが渋いという事で、整備士にオーダーを出したそうです。すると伝票をみるとシリンダー給油と記載がありました。
キーを抜いてるのに、抜き忘れ警告音が鳴るというのは、つまりはそういうことなんです。
サンバーの場合、キーを差したらこの白い部分がスイッチングされます。
キーを差したらスイッチオン。ドアのカーテシスイッチと連動してブザーを鳴らすんです。
つまり、キーの回りが渋いというオーダーで無知な整備士がシリンダー内に潤滑剤の類を噴射したことで、中のスイッチがショートしているようでした。
最悪の場合はシリンダーを換えないといけない。
出来る限りパーツクリーナーとエアーで清掃を重ねたところ、ショートが直りました。
DIYで鍵穴に潤滑剤の類はスプレーしないように注意してください。
シリンダーの入り口にはシャッターがついていて、ゴミが入らないようになっています。パーツクリーナーで清掃するのもあまりやらないほうがいいです。
というのも内部の特殊なグリスも落としてしまうからです。
今回はショートを修理するためにパーツクリーナーを使いましたけど。お気を付けください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。