セルが回らずエンジンがかからない、誤診しがちな症状のサンバー

今回ちょっと罠に引っかかりそうだった事案です。

スバルのサンバーで、エンジンがかからないということで急に持ってこられた車両。

症状を聞いてみると、セルモーターが回らないというものです。

いつもの症状だなと、その場でさっと診断をしていきました。このサンバーの場合、セルモーターが回らなくなる原因として、イグニッションスイッチ・クラッチスイッチ・バッテリー・セルモーター本体・配線などが主に考えられます。

どれもよくある症状です。その中からどうやって棲み分けをしていくか?

まずは症状を再現させますが、入庫時すでに症状が出ていました。感覚的にはイグニッションスイッチか?

とりあえず、サンバーの場合クラッチスイッチのカプラーを抜いて、カプラー側で直結させるとクラッチスイッチはキャンセルできます。

これでセルが回るようになれば、クラッチスイッチの不良です。

試してみましたが違います。やっぱりイグニッションスイッチか?

ただ、キーを捻ると各種メーターなどが一瞬暗くなります。

なんとなくスイッチは機能しているけどセルが回らないような雰囲気でした。

イグニッションスイッチが完全にダメになっていれば、おそらくキーをスタートに回しても無反応だろうと。

そうではなくて、キーを捻るとある程度のリアクションが返ってきます。もしかしてセル本体かなって。

ですが、誤診するわけにはいかないので、コラムカバーを外して、キーを捻った状態でイグニッションスイッチ側も回転させるように力を加えたら、セルが回りました。

ということでイグニッションスイッチが不良でした。

ちょっと考える整備士なら、キースイッチが反応をしたことで、スイッチではないなと判断する可能性があります。

しかし、イグニッションスイッチが接触不良になりかかってる時って、ある程度リアクションが返ってきてしまう。

ここで間違えないようにするには、スイッチ単体を点検するしかないのですが、その手間を省くと誤診になります。

イグニッションスイッチといっても、いろんな症状がでるので、正確に診断するには単体チェックをした方がいいと思います。

完全にダメになってればいいんですけど、今回のようなパターンだと間違えやすいので。

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