スバル サンバーエンジン不調 1気筒機能しない意外な原因

先日スバルサンバーを車検で預かりました。
平成3年式ながら、マルチポイントインジェクションでスーパーチャージャーのCVT。

あちこち痛んでいたが、オーナーは気に入っているので修理してくれとのこと。
プレッシャーレギュレーター不良症状

これはMHOの会社の下請けの会社が受け入れ整備をして
見積もりをしていた車両。

とりあえず検討したいので一度返してくれというので
オーナーの下に一度返却して
車検切れが間近になってやはり修理して乗りたいということなので
MHOが整備担当することになった。

ステアリングのセンターアームにガタが発生していたので
センターアームを取り外して、ブッシュを交換

それとリヤマフラーに穴が開いていた

マフラーを交換。

あとはセルモーターが壊れていたのでOH。

それとヒーターが効かなかったからヒーターレジスターを交換。

と、まぁこんな感じで車検整備を終了した。

ここまでは外注先の見積もりを下に作業。
あとは自分でいけないと思うところを受け入れして見積もりを出した。

セルモーターもおかしかったが、イグニッションスイッチもおかしい。
明らかにスイッチの接触不良を起こしているのでスイッチを交換しようとしたら
この年代のサンバーはキーシリンダーアッセンブリーでしか出ないことが判明。

オーナーに相談したらやってくれというので
キーシリンダーとイグニッションスイッチをアッセンブリーで交換した。

が、なんかエンジンの調子が悪かった。
明らかに片肺。

プラグコードを一本ずつ抜いていくと

1番シリンダーが死んでいる。

プラグとプラグコードを点検したが、異常なし。

ディストリビューターのキャップかと思って取り外してみた

プレッシャーレギュレーター不良症状
なんか面白い形をしているが、接点が削れているわけでもなく、
もともとこういう形らしいのでとりあえずそのまま。

どうして片肺なのか?

1番シリンダーが死んでいる。

うーむおかしいなぁ。

点火火花は正常に飛んでいる。
火花も弱くない。

もしかして、圧縮がないのだろうか?
プラグを全て取り外して、コンプレッションゲージをセット。

アクセル全開で圧縮をそれぞれ計測してみると

さほどばらつきはなく正常と判断。エンジンは生きているな。よかった。

もう一度プラグを外してみると
明らかに燃料が来ていないような感じ。

プラグが全然焼けていないのだ。

この車両はこの年代では珍しいマルチポイントインジェクション。

要するに全ての気筒にインジェクターが存在する。

プレッシャーレギュレーター不良症状

インジェクターがもしかして故障しているのかと思い、

デリバリーパイプとインジェクターを外してみた。

そして1番と2番のインジェクターを入れ替えて

再度エンジンをかけてみた。

インジェクターが不良であれば、今度は2番シリンダーが死ぬはずだ

しかし、結果は変らず。

相変わらず1番シリンダーのみ機能していない状態となった。

もう少しよぉく観察していると、

エンジンが冷えてくるとファーストアイドルがかかる。

そのときは1番シリンダーも生きていることが判明した。

要するに完全暖機が終わったら、1番シリンダーが死んでしまうのだ。

これによりインジェクター配線などは正常と断定できる。

こうなってくると電子制御系も怪しい。

手元に多少也のデータが存在したのでエンジンの基本点検からしてみようと思った。

ここでもしかしたらと燃圧を計測してみる事にした。

そしたら基本の燃圧3,1kgと2,8kgに対して

イグニッションオン時では3,3kg
アイドリング時では3kg燃圧があることが判明。

プレッシャーレギュレーターのホースを抜いてみると、燃圧があまり変化しない。
プレッシャーレギュレーターが不良と判断。

交換。そしたら1番シリンダーは正常に動き出した。

結果は治ったけれど、燃圧が高いと何故1番シリンダーが機能しなくなるのか?

デリバリーパイプの形状を確認すると

1番のインジェクターが一番通路で遠い。

これがどんな影響を及ぼすのかわからないけれど
原因としては

「燃圧が高かった」

ということが判明した。

整備をしているといろいろと不可思議な故障に遭遇するなと思ったけれど

エンジンの基本データに沿って、それぞれの数値を点検していけば
ある程度は故障のヒントが得られてくると思った。

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