スバルのサンバーです。TT型サンバーで、レッカー業者から搬入されてきました。
エンジンがかからないという症状で、見てほしいということでした。
最終型のスバルTT型サンバー。
車両を確認すると、イグニッションキーを使ってエンジンをかけようとすると、セルが回りませんでした。電気廻りの状態もイマイチで、バッテリー電圧を測ると7V程度まで落ちていました。
単純にバッテリー上がりかなと思い、ジャンピングしてエンジン始動をしてみました。
すると、セルモーターは元気よく回るものの、エンジンのかかりがおかしい。
かかった瞬間に止まってしまう。あとが続かないんです。走行距離はまだ2万キロに満たないサンバーです。原因は何か?
いろいろ試して、現状を把握してみました。
・初爆はあって、エンジンがかかったら、その後が続かないで止まる
・アクセルを踏みながらだと、初爆すら起こらない
車両のバッテリーが上がっていたのは、オーナーがエンジンがかからなくてセルモーターを回しまくったためだと思います。
エンジン自体がかからないから。そもそもの原因を追究していきます。
エンジンが全くアイドリングしないということは、燃料がいかないからだと推測し、燃料系統から点検をしました。
イグニッションONで、燃料ポンプの作動音は聞こえて、実際にほんの少しだけエンジンはかかる。
まず燃圧計をセットして、見てみました。イグニッションONで燃圧が規定値近くまで上がって、クランキングして火が入った瞬間に一気に落ちる。
その後まったく燃圧が低いままの状態です。
このことから、燃料が続いていないのかなと思って、リレーを点検。こちらは問題なし。
燃料ポンプの作動条件ってエンジンの回転信号も密接にかかわっています。クランク角センサをオシロスコープで波形点検してみましたが、特に異常はなさそうです。
この時点で怪しいなとおもうパーツは1つです。
とりあえず内容を整理。
・イグニッションONで燃料ポンプは作動して、エンジンは一瞬かかる
・その後全くアイドリングしないで止まってしまう
念のために、燃料ポンプの単体検査等もしてみましたが、こちらも問題なし。本当は燃料タンクも降ろして内部の錆具合を見てみたかったけど、それよりもこれですね。
ECUです。
燃料ポンプを制御しているのはECUです。クランク角センサのパルス信号を受けて、作動させています。
新品のECUは非常に高いので、同じ品番の中古を探したら見つかったので交換したら直りました。
エンジンが一瞬かかってすぐとまってしまう。
いくつか原因は考えられますけど、今回はECUの不良でした。
サンバーはイグニッションスイッチもよく駄目になるので、セルが回らない場合はこちらの可能性がたかいです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。