Categories: スバル電装系

サンバー エアコンが効かない修理。構成部品を全て交換しても治らなかった原因とは?

スバルサンバーのエアコン修理について、興味深い事例を知り合いの電装業者さんから聞きましたのでご紹介。

型式はTT2というモデル。スバルが自前で作った最後のサンバーです。今はダイハツのOEMになっています。名車ですね。

このサンバー、エアコンが効かないということで最初の診断が始まりました。

2年ほど前にサンバーの泣所、高圧ホースからガス漏れが発覚。高圧ホースを交換後、真空引きをして念のために蛍光剤を流し込み作業終了。

しばらくは効いていたのですが、数ヶ月後またエアコンが効かなくなった。蛍光剤をいれてあったので、どこから漏れているかをじっくり観察していったら、コンプレッサ本体からガス漏れしている箇所がありました。

実はこの車両はリース車です。基本的にリース車って、整備代を抑えるために積極的に社外部品を使います。当然コンプレッサなどといった高額パーツはリビルトのコンプレッサを現物でリース会社が送ってきた。

知り合いの電装業者は支給されたリビルトコンプレッサを交換して作業を完了。

恐ろしいことにその2ヶ月後、またもエアコンが効かないと入庫。原因を調べてみたらコンプレッサが動いていない・・・。コンレプッサの電源はちゃんと来ているので、内部不良ということで、保証のリビルトコンプレッサと再度交換になりました。

夏が本番になり、エアコンの風が弱い!というオーダーを受けて、エバポレーターを交換することになりました。エバポレーターにカビが付着すると風が通らないため、風量が弱くなります。

エバポレーターとエキパンをリース支給品と交換。風量はちゃんと戻りました。

しかし夏本番に、明らかに他のサンバーよりも冷え方が悪いということで、またも入庫。ガス漏れをしている箇所などは見つからないため、コンデンサとラジエターをリース支給品と交換することになりました。

コンデンサはいわゆるエアコンにとってのラジエターと同じです。ここにちゃんと風が通らないとエアコンは冷えません。

サンバーに限らず、エアコンコンデンサとラジエターはすぐ真後ろにマウントされています。そのため、片一方が詰まっていると風が後ろまで抜けない。

リース会社はしぶしぶ両方の部品を社外で送ってきました。こうなったらとリキッドタンクも送ってもらえたそうです。

これによって、エアコンを構成している部品の主要パーツを全て交換終了。もう完璧だろう!と思っていたら、圧力がいまいち。

低圧が思った以上に高い。そして高圧が低い。そして効きもやはりいまいちです。ここまで全ての部品を交換したにも関わらず、エアコンの効きもいまいち。

まさかのコンプレッサが怪しい。リビルトのコンプレッサを2回交換しましたが、どちらも同じ製品のもの。

ここで電装業者さんは、部品に注目したそうです。いわゆるリースから支給されてきた部品。その中で、純正品以外のものはなんだったのか?

高圧ホースは当然純正しか設定はありません。その他のコンプレッサ・コンデンサ・エキスパンションバルブ・リキッドタンク・エバポレータ。

この支給された部品の全てが社外品。ふとその会社の構内に目をやると、ナンバーの外れた同型車がとまっていた。

とくに再販する予定もないということで、そちらの車の部品と移植をしてみたところ、なんとびっくりするくらいエアコンの効きはなおったそうです。

どこからがおかしくなったかはわからないですが、社外新品の部品の中にはやはり純正と同等とは言えない性能しかない部品が紛れ込んでいたということです。

エアコンの修理に関しては、できれば純正品を使ったほうが間違いないという結果でした。ちゃんとした社外品はあります。だけどリース会社から送られてきたパーツの会社名はあまり効いたことのないところだったとのことです。

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