この前、なかなか困った出来事に遭遇しました。車検でブレーキローターを交換することになりましたが、そのネジが外れない・・・。
ブレーキローターをハブに固定している皿ネジです。プラスドライバーで緩めるネジなんですが、これがどうしても一本はずれない・・。最初に試したのはショックドライバーでした。このブレーキローターを固定しているビスは大体2本で止まっています。1本はなんとか外れました。しかしもう1本がどうしても外れない。
潤滑剤を流し込んで、ショックドライバーでアタックして行くうちに、どんどんとビスのネジ山が広がっていきました。ネジ山を舐めるというものではなくて、ネジ山が大きくなって行っちゃった訳です。ショックドライバーで叩き込んでいくのが原因ですけど。
しょうがないからショックドライバーのビットを大きいものに交換して再びアタック、しかし緩まない。角度にして15度程度だけ左右に回るようになりました。ここに潤滑剤を流し込んで、締めてはゆるめを繰り返していけば大体とれるんですが、ネジ山がどんどん広がっていってうまくグリップしない。
この時点でやりたくなかったけど、酸素でピンポイントにあぶってみることにしました。ですが、やっぱりハブのベアリングやオイルシールにダメージが行く可能性があるのでやめました。結局、グラインダーでネジの表面を削り取ってブレーキローターを外したんですよ。
ハブの方には折れた部分が残っていたので、潤滑剤を浸透させてバイスプライヤーで締めてはゆるめを繰り返してようやく抜きました。たかがネジ1本に実に1時間近くの時間を割くことに。
雪国の車の整備はこんなことがよくあります。本当にネジ1本で困ってしまうことがたくさんあるんですよ。結局このネジが外せなかったらどうしたかなとふと考えてみました。
最終手段はハブを外すかな・・。でも裏側をみたらハブはケースと一体型っぽいので、ハブ単体で取り外すことは難しそうだった。そうなるとどうする。うーむと悩んでしまいます。
酸素でもっとあぶれればいいんですが、ハブベアリングのことを考えると躊躇してしまいます。交換を前提にするならいいですが、ベアリングはそのままでいくとなるとやはり今回の作戦以外にはいい方法はなかったかなと。
でもこういう経験を積んで行くと、次回に生きていくのです。錆びたネジは厄介です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。