S500系のサンバー・ハイゼットですが、スピードメーターが動かないという相談を受けて修理することになりました。
ダイハツOEMのサンバーです。
S500系。スピードメーターが動かないという症状です。
この年代の車って、全部デジタル制御です。昔の車って、ミッションからケーブルが出ていて、そのケーブルがスピードメーターの裏につながっていたんです。
ミッションのギヤが回転するとケーブルも回転する。ケーブルが回転すると、つながっているスピードメーターが動く。
昔の車ではメーターワイヤーが切れてしまったから動かない。という症状がたまにありました。
デジタル制御はミッションやデフのギヤにセンサを取りつけて、回転信号をコンピューターへ送ってメーターを動かしています。
つまり、現代の車でスピードメーターが動かないという症状は非常に稀な故障になります。
僕も聞いたときは珍しいなと思いました。
メーターワイヤー以降で、スピードメーターが動かないという症状に遭遇したのは多分自分が乗っていたカプチーノだけかもしれない。
前置きはこの位にして、診断作業に入ります。
エンジンチェックランプ点灯とO/Dランプ点滅
まずは症状を確認するところから。最初からメーターが動かないのかなと、エンジンを始動して走ろうとした途端、エンジンチェックランプ点灯。オーバードライブランプ点滅。
オイルとミッションオイルが入ってることを確認して、その状態で走らせてみると、確かにスピードメーターがピクリとも動きません。
診断機をあててみました。
P0500車速信号系統。現在故障コードとして瞬時に立ち上がってきます。
この時点で、怪しいと思える箇所は以下の4つ。
・車速センサ
・車速系統の配線類
・ミッション内部のローター
・スピードメーター本体
この4つのうち、すぐにチェックランプ等が立ち上がってくるので、メーター本体の故障の可能性は薄いと判断して、センサの点検に入りました。
車速センサは他の回転センサと似たような構造です。クランク角センサやカム角センサと同じでピックアップコイルですね。
ミッション内部の動力でローターを回して、それをセンサのコイルでパルス波形にしてコンピュータへ送ってます。そしてメーターを動かしている。
次にやることは、車速センサの単体試験。
S500系の車速を検知しているセンサはここにあります。
ミッションの助手席側。これを外して単体試験をします。
と、思ったら
センサがもげています。カプラー部で断線しているので、犯人はこれですね。物理的に壊れていました。
万が一他の部位も壊れているかもしれないけど、このセンサは交換しないと駄目です。
トランスミッションセンサ3650円です。
交換はネジ1本外すだけです。交換したら無事にスピードメーターが動くようになりました。
診断機で故障ログをリセットして、終了。
ちなみに、僕が経験したスピードメーターの故障で、カプチーノの場合は何だったか?
カプチーノって、車速をデフで検知しています。車速用の小さいギヤがって、そのギヤが折れたんです。センサは無事だったけど回転しているギヤが折れていた。
デジタル制御の車でスピードメーターが動かないものは、珍しい故障になりますね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。