走行距離が2500kmを超えました。ダイハツの軽自動車ターボはシビアコンディションだとオイル交換の時期が2500kmと指定されています。
今回、アトレーワゴンでエンジンオイルを交換する際に、上抜きと下抜きのどちらがいいかを検証してみます。
エンジンオイルの上抜きと下抜きはなにが違うのか?
上抜きというのは、オイルチェンジャーという機械を使ってオイルのレベルゲージから、負圧を利用してエンジンオイルを吸い出す方法。
下抜きというのは、オイルパンについている排出用ドレンプラグを外して、オイルを下から排出する方法。
世間で認識されているオイル交換というのは、ほとんどが下抜きになります。お店でオイル交換をオーダーすると、ドレンボルトを外してパッキンを交換。新しいオイルを入れる。
エンジンオイルの上抜きと下抜きの違いは以上です。
エンジンオイルを上抜き・下抜きする場合、車によっては向きと不向きがあります。上抜きが向いている場合というのは、上からオイルを吸入し終わったあとにドレンボルトを外してみる。
ドレンからオイルがまだ出てくるようなら、そのエンジンは下抜きの方が向いていると言えます。
逆にドレンボルトを外し、オイルを排出した後にオイルチェンジャーでレベルゲージ側から負圧で少しでも吸い出せれば上抜きの方が向いている。
自分が乗っている車がどちらの方法が向いているか?見分けるのは一度試してみるしかありません。
オイルチェンジャーを実際に買って、まずは上抜きをしてみる。オイルを吸入しつくしたあとにドレンボルトを外してオイルが出てくるようなら、残念ながらそのエンジンは下抜きの方が向いてるわけです。
逆にドレンからオイルが出てこなければ、その先はずっと上抜きでオイルを交換するほうがベストということになります。下抜きと上抜き、作業過程で考えると上抜きの方が圧倒的にイージーで安全でおすすめです。
僕が上抜き作業で、
「これはまずいな・・」
という出来事に出くわしたことがあります。それは、ステップワゴンのK20Aエンジンに対してオイルチェンジャーを使って上抜きをしようとした場合。
K20Aはオイルレベルゲージがエンジンのシリンダーヘッドからヘッドカバーに直結しています。ゲージを通る場所っていうのはエンジンの内部をするすると通っている。
レベルゲージのストローを入れて行ったら、途中で何かに引っかかった。これはまずいと思ってストローを引っこ抜こうとしたら抜けない・・・。
無理をしようとするとストローがエンジンの内部で切れてしまいそう。そんな出来事に出くわした。結果、微妙に回転させたり、入れたり出したりを繰り返してなんとかストローが抜けました。
オイルチェンジャーで上抜きするエンジンに向いていないのは、そういうエンジンに直接レベルゲージが刺さっているエンジンです。今はこのタイプの方が多いですけどね。
オイルレベルゲージをさしこむ部分が、独立したガイドの筒を通るエンジン。これは上抜きを安全にできます。
この手のエンジンは、オイルレベルゲージがエンジン内部を通過しないで、オイルパンに直接刺さるようになっています。抜けなくなる・ささらないという事態にはならないので安心です。
アトレーワゴンはオイルレベルゲージが直接オイルパンに刺さるタイプです。安心して上抜きのストローを差し込むことができます。
オイルチェンジャーをポンピングしてオイルを吸入していきます。
順調に吸入できて、エアが噛み込んだところで終了。
上抜きで吸い付くせるオイルは全部吸ってみました。これでドレンプラグを外してオイルがドレンから出てくれば、アトレーワゴンは下抜きの方が向いているということになります。
果たしてどうか?
ドレンプラグを外してみると、一滴すらオイルが出てきませんでした。このことからアトレーワゴンはオイルを上抜きの方がよく抜けるということになります。
せっかくなので、先日買っておいたマグネットドレンボルトに交換します。
赤いドレンボルトかっこいいです。
今回検証してみて、アトレーワゴンのオイル交換は上抜きの方がより多い量が抜けることが分かりました。
その他にもこの車で上抜きをするメリットがいくつかありますので挙げてみます。
アトレーワゴンのエンジンはKFエンジンです。オイルパンがアルミ製です。ドレンボルトの締め付けトルクをきちんとしていないと、すぐにアルミのオイルパンをダメにしてしまいます。
何台もオイルパンを交換したり、ヘリサートしたり、タップボルトに交換したりしました。
上抜きであれば、今後ドレンボルトを外す必要がありません。これが最大の理由です。
そして、わざわざリフトアップやジャッキアップをする必要もなく、簡単で且つ安全にオイル交換ができるというメリットもあります。
上抜きを知ってしまうと、下抜きをわざわざやろうとは思いません。上抜きはほとんどと言っていいほど汚れません。
まとめると
・ドレンを外さないので、アルミのオイルパンのネジ山を損傷するリスクがなくなる
・安全で簡単にオイル交換ができる
・ほとんど汚れない
まさにいい事だらけです。アトレーワゴンに限って言えば下抜きでオイル交換をするメリットが1つも見つからないくらいです。
ただオイルフィルターを外すのは、リフトアップをしていないとやりにくいです。
今回使用したオイルチェンジャーです。他にも色んな車で試していきます。今のところ作業する車すべて上抜きの方がたくさんオイルが抜けました。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。