ダイハツのアトレーです。S331Gというモデルです。ターボを効かせると、いやーな異音がでるようになってきました。
この車両は、オイル管理がイマイチだった車で、エンジンからの異音も出ていた車です。
まず症状を確認。当然のことながら最初に行うことはオイルの点検から。症状を試すにも、まさかオイルが入ってませんでした。というオチでターボに負担をかけてはいけません。
オイルは規定量入っていました。そして状態も悪くないし、交換されてから500kmも走ってない。
まずふつうに過給をあげないで走行してみます。オイルが適量入ってるので、特段な異音は聞こえません。
それでは、若干の負荷をかけてターボを効かせてみる。じわりじわりとタービンを回してやると異音はそれほどしない。
経験上、ターボが壊れると出るであろう過給を試すけど、それでも異音が出ない。
では、本気でアクセルを踏み込み、ブースト圧を思い切りかけてみます。すると
ぎゃーーーーといった異音が確かに出てきました。
異音の種類は、タービンの羽がハウジングに当たってるようないやーな音。このまま過給をあげすぎるとタービンがぶっ壊れるんじゃないかなって。
この時点で再現ができて、異音が確認できたので点検に入ります。
気になったのはターボの異音にしては、相当な過給圧をかけないと異音がでないということ。
じわじわとタービンを回せば異音はしないし、ちゃんとトルクフルに加速する。
もしかしてタービンじゃない?エンジンルームの点検にはいります。
停止状態でアクセルを思い切りふかして再現すると、
ん?
もしや・・・
こっちでよかったー。
そうです。ダイハツのKFエンジでよくある故障。ベンチレーションホースの亀裂です。
ベンチレーションホースというのはスロットルからPCVバルブにつながるブローバイのホース。
これの取り回しが悪いのと、素材が悪いのとで距離と年式が経過すると亀裂がはいります。
最終的には破けちゃうんですが、とりあえずの応急処置としてテープでくるくる巻いて密封して走行してみると、異音はおさまってました。
ただ、少し走行すると中からブローバイが吹いてくるのでテープがすぐにはがれてしまう。とりあえずタービン自体は無事で、1本2000円もしないベンチレーションホースを交換すれば治ることが判明。
僕はこのベンチレーションホースの異音なのにタービンがダメだと誤診した整備士をしっています・・・。ダイハツのKFターボでターボからの異音かな?と思ったらまずはベンチレーションホースを点検してください。
ただこのホース、交換は結構難しい。基本的にはインテークマニホールドの下をくぐってるので、工賃はインマニ脱着と同等程度請求されるかもしれません。
僕は長い内張外しを使って、マニホールドを外さないでPCVバルブごと引っこ抜き交換します。
それでもすごくやりにくい。
自信のない人は整備士へ依頼してください。誤診をされないように。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。