アトレーワゴンです。ターボを効かせると、異音がするということで原因を追求したらベンチレーションホースが切れていました。
ダイハツのKFエンジンはこのベンチレーションホースがよく破けます。ターボ車でこのホースが破けると、ターボを効かせている時に
「ギャー」
といった、いかにもタービンが壊れてるんじゃないか?というような異音がします。これをターボ本体の異音だと勘違いして交換されるケースがたまにあります。
まず、ターボを効かせて異音が出てきたらベンチレーションホースを点検してみてください。
見事に避けています。経年劣化ですね。あと取り回し方にも無理がかかっているのかな?アトレーだけでなく、ムーブやタントも同様です。ターボ車は注意。
というわけで、アトレーのベンチレーションホースを交換しましたのでレポートです。
使う工具はプライヤーと12mmのラチェット。あとは小さいタイヤレバーとマイナスドライバーくらいです。
厄介なのがこのベンチレーションホースの取り回し。スロットルからインテークマニホールドの下をはわせてあり、最終的にPCVバルブに繋がっています。
なので、最悪のケースはインマニを外さないといけなくなる可能性がある。でもインマニを外さなくても交換はできます。今回それをやってみました。
まずは助手席と運転席の間、センターコンソールのパネルを12mmで外します。といってもネジを外すだけで、パネルを若干動くようにするだけでOK。ワイヤーなどがパネルにくっついてるので簡単に外れない。
作業の邪魔になるのでパネルを若干動くようにしておく。
続いてスロットル部のベンチレーションホースを外す。バンドで止まってるのでプライヤーでバンドを戻してホースをスロットルから外す。
赤いビニールテープが巻いてあるホースです。
入り口側のホースを外したら、あとはエンジンのPCVバルブごとホースを外すことになります。
助手席側から見た図です。黒い樹脂製のインマニ。この下をベンチレーションホースが通ってます。途中固定されているところはありません。
PCVバルブに接続されているだけです。そしてPCVバルブはエンジンにパッキンを介して刺さってるだけ。
つまり、PCVバルブをエンジンから抜いて、バルブごとベンチレーションホースを外すのです。
隙間に見えるのがPCVバルブ。
これをインマニの隙間から短いタイヤレバーでこじこじして引っこ抜く。
いざ。
写真ではPCVバルブのグレー色の部分にレバーをかけていますが、これはダメです。失敗しました。グレーの部分ではなくその下のオレンジの部分をレバーでこじる。
左右からコジコジとこじります。できればシリコンスプレーなどで少し持ち上がったらすぐに給油攻撃をすると抜けやすくなります。
グレーの部分を無理にこじったりするとバルブが割れるのです。そして割れました(笑)
グレー色の部分を使って、こじってたらまさかの分離!
オレンジ色の部分だけエンジンに刺さったままになり、リカバリーするのが大変でした。しかもこの日はPCVバルブを買っておかなかったので、しょうがないから割れたバルブを組み立てて、グレーとオレンジの部分をライターで炙り溶着して新品のバルブがくるまでしのぎました。
つまり、ベンチレーションホースとPCVバルブは両方注文して交換しましょう。絶対その方がいい。PCVバルブはメーカー取り寄せだったので、届くまで2日かかりました。
新品のPCVバルブ。910円税別です。
新品のベンチレーションホースにバルブを取り付けます。
これでまたエンジンにホースとバルブを取り付けます。
取り付け方はPCVバルブにシリコンスプレーなどの潤滑剤をたくさん塗っておいて、インマニの下にセットする。そして隙間からタイヤレバーで押し込んでエンジンに圧入する。
さほど力がなくてもスポッと入ります。
ホースをエンジンへ
エンジンのある程度の位置へ合わせたら、隙間からタイヤレバーで押してエンジンへ圧入。
バッチリです。あとはスロットル側を接続すれば完了です。
ちなみにもう一本ベンチレーションホースを買ったので交換しておきます。これはヘッドカバーとエアクリーナーのダクトを接続しているもの。
バッチリです。
取り付けた後はどんなにアクセルを踏み込んで過圧をかけたとしても、ギャーという異音は消えていました。
ちなみに詳しい部品の品番と値段は
ベンチレーションホース 12261-B2081・・・1640円
ベンチレーションホース 12261-B2100・・・1050円
バルブ S/A ベンチレーション (PCVバルブ)12204-B2020・・・910円
税別となっています。最悪念のためマニホールドのガスケットも取っておくとすると
マニホールドガスケットは17177-B2010・・・520円
安いので取っておいた方がいいかも。じゃないと失敗した場合僕みたいな目に遭ってしまいます(泣)
僕が今回使ったタイヤレバーはこちら。
ガレージドットコムの小さいものです。
ダイハツのKFエンジン搭載車でターボを効かせたら異音が出た場合、最初にベンチレーションホースを点検してください。ターボはそれから。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。