久しぶりにショッキングな事案が発生しました。
各自動車メーカーが口酸っぱく言い続けていること。それはエンジンオイルの重要性です。しかしながら、多少の矛盾も感じてしまいます。
というのも、メーカーが指定しているオイル交換のタイミングって、本当に正解なのかと。
結論を先に書くと、メーカー指定のオイル交換を守っていたのにエンジンが壊れて車両火災になる寸前だったという車です。
まずはこちらをご覧ください。
事の発端は、近所のガソリンスタンドから。
「エンジンがガラガラ音がして、下を見たらオイルが凄く漏れてるんです。オイルを補充したら2Lくらい入ったんですけど、乗っても大丈夫ですかね?」
という電話が入りました。
どこからどんな風に漏れているかが不明だったため、その場で預かってもらうことに。
翌日レッカーして車両を持ち上げてみたら想像以上に凄い。
下をのぞいて、これだけ一気にオイルが噴きだす部位なんて、どこにあるのかなと。
フィルターもプレッシャースイッチも無事です。
不審に思って、エンジンを隅々まで見てみると発見。まさかの足が出ています。
いわゆるコンロッドがエンジンのシリンダーブロックを内部から突き破っている。
これは・・・。
ここまで見事に足が出ているエンジンはこれで3機目くらいですね。
アルミブロックだし、簡単に割れてしまいます。
気になるのは何故こうなったかの原因です。
この車は、うちの工場でもオイル交換などの整備歴が定期的にあります。
ある程度走った時は、ガソリンスタンドででもオイルを交換していました。
ステッカーが重ねて貼ってあるので、さかのぼって確認すると、メーカー指定のオイル交換スパンは守っているようです。
では何故こうなったのか?
通常コンロッドがブロックを突き破るというのは、エンジンの潤滑不足によって起こりえます。
高速回転するシャフトとベアリング部にオイルが供給されなかったら、メタルが焼き付いて削れながらガタついていき、最終的に破断すると。
この場合、普段使いでこんなことになるのは問題です。
推測するに、このエンジンはオイル消費が発生していたのではないか?と。オイル交換からオイル交換までの間にオイルが規定レベルを下回れば、潤滑不足に陥って焼き付きが発生します。
走行距離は6万キロ弱ですが、このエンジンは初期ロットにピストンリングの問題などを抱えていたエンジンでもあります。
異常にオイルを消費しているのなら、オイル交換のタイミングを早くしてあげるか途中で補充しないと駄目です。
運行前点検をしていれば防げたと言えば防げたのかもしれません。でもそれをやってる運転手って日本ではかなり少数派だと思うんです。
つまり普通に使っていて、こうなってしまうとやりようがないよねって。そういうことになってしまう。
このおびただしいオイル漏れを見てわかる通り、下手すれば車両火災へとつながりかねない案件でした。
実際に自動車メーカーはこの手のトラブルを恐れていて、定期的にオイルメンテナンスの注意喚起を出してきます。
オイルがエキマニやらに付着して、着火してしまったら一気に燃え広がります。ガソリンスタンドなんかで火の玉になってしまったら・・考えるだけでも大惨事ですよね。
オイル上がりや下がりが激しいエンジンにはワコーズのエンジンパワーシールドがお勧めです。
オイル消費が激しい僕の車で試しましたが、きちんと消費量を抑えてくれました。
これは絶対にお勧めできる添加剤です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。